ナースまつり2023のレポート第2回は、2日間にわたって行われた「日本一働きやすい病院アワード2023」をご紹介します。
日本一働きやすい病院アワードは、看護師がワクワクできる(働きやすい、やりがいを持って働ける)取り組みを行なっている優れた事例を共有することで、看護師が働く職場全体の活性化を目指すことを目的とし企画しました。
各登壇者による5分間のプレゼンテーションを行います。ご来場の方とYouTubeをご覧の方の投票によって大賞を決定します。
今回日本一働きやすい病院アワード2023には、6つの病院と2つの企業が参加し、白熱のプレゼンテーションを繰り広げました。
どの病院企業も、より良い医療や看護の提供、医療従事者が私らしく働ける環境の提供のために試行錯誤された試みがあり、見ごたえあるプレゼンでした。
それでは、受賞病院を中心に、日本一働きやすい病院アワード2023の模様をご紹介します。
日本一働きやすい病院アワード2023受賞【長崎県病院企業団 長崎県対馬病院】
ご来場の方とYouTubeをご覧の方の投票による結果、日本一働きやすい病院アワード2023は【長崎県病院企業団 長崎県対馬病院】に決まりました!
長崎県対馬市にある長崎対馬病院は、島内唯一の基幹病院です。
2015年に新築移転し、病床数は275床(一般222床、精神45床、感染4床、結核4床)を有しています。看護部は199名(平均年齢45歳)で構成されています。
看護部の理念は、
「つながる」「信頼」「マルチな看護」
「つながる」:継続看護、多職種との連携
「信頼」:患者中心の看護、倫理的配慮
「マルチな看護」:幅広い知識と技術、多様なニーズに対応
を掲げています。
また島唯一の基幹病院であるため、生命の誕生から生涯終わるまでの関わりやマルチな看護が経験できるのが、長崎対馬病院の大きな特徴です。
島内唯一の産婦人科があり、新生児から高齢者まで幅広く看護をし、在宅看取りも行っています。
急性期から慢性期、外来から入院、在宅、訪問など、幅広い分野の看護に関わることができます。
災害時訓練があり、高速船などの災害訓練、院外救急看護を経験することは、島の病院ならではです。
長崎対馬病院がある対馬は、自然豊かでマリンスポーツやレジャーを楽しむことができ、新鮮な海の幸を堪能できます。
また韓国に近く、高速船に乗ると30分¥5,000で行くことができ、長崎市、福岡市へは高速船で1時間、ジェットフォイルで2時間と、お休みの日は観光やお買い物がワールドワイドに楽しめて魅力的。
こんなに魅力的な立地に訪れた応援ナース達からは、「勤務経験豊富な頼れるスタッフがいて心強い」「思っていたより大きな病院で、建物がきれい」「話しかけやすい雰囲気だった」と好評でした。
また対馬出身のナースからも「福利厚生がしっかりしていて安心」「スタッフの情が厚い」「他の病院は考えたことがない程の働きやすさ」と、職場環境の良さ、スタッフの温かさが伝わるコメントが聞かれます。
「人生100年のうちの1年でも2年でも、対馬っ子になって一緒に働いてくれることを歓迎します。」
長崎対馬病院の登壇者が最後に伝えた言葉です。
受賞式では、万年看護師不足のため九州中に求人をしたにも関わらず採用に繋がらず、関東に進出し広く求人をするしかない状況であったこと、日本一働きやすいアワードに登壇が決まってからは、病院総出で準備をしてきたことが涙ながらに語られました。
「人生100年のうちの1年でも2年でも」という言葉は、長崎対馬病院の切実な思いであり、全国の看護師不足に悩む病院の思いでもあると思います。
ベストプレゼン賞受賞【医療法人財団 松圓会 東葛クリニック病院】
ベストプレゼン賞は【医療法人財団 松圓会 東葛クリニック病院】に決まりました!
ハッピに、はちまきを締めた応援団とともに、東葛クリニック病院の院長先生と看護部長さんは、ぬいぐるみを胸につけ登壇。
まるで病院内の様子がわかるような、明るく楽しいやりとりのプレゼンを繰り広げてくださいました。
医療法人財団 松圓会 東葛クリニック病院は、千葉県東葛エリアの透析医療のパイオニア的存在で、病院と7つの透析クリニックから構成されています。慢性腎不全患者の一生をサポートする透析医療を専門とし、高い実績を誇っています。
そのため慢性腎不全患者の透析治療だけでなく、療養や生活面においての看護を行っています。
入職後1日7時間13日間の新人研修では、透析医療の基本から実践までを学ぶことができます。
また排便サポートチームやエコーナースなどのスペシャリストナースが在籍し、チームで活躍しています。
東葛クリニックでは、働きやすい病院にはスタッフのワクワクがあるという考えのもと、院長の考えや理念を直接職員に伝えるライブ配信を行うことで一体感を醸成しています。
病院内の職員でランチメニューのアイデアを出し合い、投票で決定する「ハッピーランチプロジェクト」などの企画があり、ワクワクを提供しています。
そのほか有給消化率80%以上の取り組みや海外への職員旅行の実施、スタッフ本人と家族の誕生日にクオカードの贈呈、健診休暇、ユニフォームの職員投票など、福利厚生にも力を入れています。
「なりたい自分を探しにおいで!ハッピーナースライフ」
を合言葉に、スタッフ一人ひとりが成長できる環境づくりに取り組んでいます。
慢性腎疾患における専門性の高い看護が行えるだけでなく、明るく楽しいナースライフが送れそうなワクワクのプレゼンでした。
また受賞時のコメントでは、それぞれの病院の思いや愛が発信されているところを見られたことが素晴らしく、それが宝物であるとコメントされた看護部師長の言葉が印象的でした。
ワクワク病院賞受賞【公益財団法人柏市医療公社 柏市立柏病院】
ワクワク病院賞は【公益財団法人柏市医療公社 柏市立柏病院】に決まりました!
千葉県柏市にある公益財団法人柏市医療公社 柏市立柏病院は、昭和53年に開院した総合病院です。病院内には、ステンドグラスやレトロな看板など、ノスタルジックで昭和レトロな雰囲気を楽しむことができます。
病院は200床で、急性期と地方包括ケアを担っています。
診療科は16科、専門外来は10科あり、幅広い疾患に対応。
看護外来を有し、糖尿病や皮膚排泄ケアなど専門的な看護を受けることができることが特徴です。
また地域の2次医療も担っており、幅広い急性期疾患の治療に対応、在宅医療を行う地域の開業医と強い連携をしています。
柏市立病院の魅力は、なんといっても先輩の優しさです。
30代のママナースも多く、子育てをしながら働く環境が整っています。
お子さんが病院に来てご両親の仕事ぶりを見学することができる親子参観日なども開催されており、子育て中のスタッフが楽しく働きやすい場です。
柏市立病院は、令和10年に新病院が開院予定です。
新しい病院では、
「より質の高い医療を提供できるような取り組み」
が進められ、地域に根ざした総合病院として、これからも地域の医療を支えていきます。
受賞式では、今回日本一働きやすい病院アワードに登壇したことで、沢山の病院施設の方との交流ができたことが、よかったとコメントされました。
この企画が目指している、各々の病院施設の取り組みを共有する機会としていただけたことは、開催した私たちも嬉しく思っています。
今年も開催!「日本一働きやすい病院アワード2024」
2024年7月10日(水)、11日(木)、12日(金)東京ビッグサイトにて、NURSE MATURIたナースまつり2024を国際モダンホスピタルショウと同時開催します。
そして、日本一働きやすい病院アワード2024の開催も決定しています。
ただ今、参加病院を募集しております。
エントリーはこちらのフォームよりお待ちしております。
(エントリー期限は6月28日まで)
もしも、自分たちの職場の魅力がよくわからないという方はPRナースがお助けしますのでどしどしご応募ください。
第一回目の日本一働きやすい病院アワード2023に参加いただいた病院企業様、私共の企画に賛同いただき誠にありがとうございました。
どの病院企業様も、看護師が働きやすい工夫を凝らした環境づくりに取り組れており、感嘆するばかりでした。
これからも優れた看護師の働きやすい環境づくりに取り組みをされている病院企業を紹介することで、看護と医療全体がよりよく活性化することを目指して、日本一働きやすい病院アワードを続けていきます。
登壇いただいた病院・企業様を、一覧でご紹介いたします。
- 長崎県病院企業団 長崎県対馬病院
- 医療法人財団 松圓会 東葛クリニック病院
- 公益財団法人柏市医療公社 柏市立柏病院
- 医療法人鉄蕉会 亀田メディカルセンター
- 医療法人大誠会 内田病院
- 医療法人弘仁会 板倉病院
(敬称略)
- 三重金属工業株式会社
- 日本精工株式会社
(敬称略)
(ライター:中埜愛子)