看護師になるために、学生時代は深夜まで実習記録や事前学習に追われ、看護師デビューをしても、先輩看護師から厳しい指導を受けて成長していくという過程は誰しもが通ってきた道だと思います。しかし年数が経ち、仕事や気持ちに余裕が生まれる頃には、段々とあの頃の気持ちは薄れてしまうものです。ここでは、看護学生や新人看護師が実習や病棟で思わず身構えてしまうような場面のエピソードを4つ紹介していきます。
あるある① :看護学生&新人看護師の体験談:先輩看護師が挨拶を無視!

これは、私が看護学生だったころの話です。新人看護師としてお世話になる病棟へ行き、緊張しながら挨拶をしました。すぐに笑顔を向けてもらえると思いきや、ナースステーション内にいる看護師からの反応はゼロ!
誰にも挨拶を返してもらえず、悲しい気持ちに。今考えてみると、忙しすぎて聞こえていなかっただけなのかもしれません。でも、挨拶を無視されたときの悲しみは、今でも忘れられないほど。「これからこの病棟で頑張っていこう!」という前向きな気持ちが一瞬で無くなってしまいました。
それ以来、新人看護師が私のいる病棟に来た時は、真っ先に挨拶を返しています。
たかが挨拶くらいで何も変わらない、と言われることもありますが、「あの日の私に届け!」と思いながら続けています。
あるある②:看護師の人間関係の悩み:先輩看護師の態度にハラハラ

看護師に限ったことではありませんが、私情を仕事に持ち込んでしまうタイプの人は、その日の機嫌で態度が左右されることがあります。私が新人看護師だった頃も、そのような先輩看護師の態度や発言に気を使ったものです……。指導を受ける立場としては、慣れない仕事や環境に加えて、その人の機嫌を常に気にしなければいけないのでかなりストレスだったのを覚えています。
あるある③:新人看護師教育:カンファレンスや仕事後に遭遇する場面

看護業務の中でも大切な時間の一つである病棟カンファレンス。その最中でも悲しい場面に遭遇したことがあります。私が新人看護師としてカンファレンスに参加していると、ある先輩看護師が指導内容の情報共有と称して、特定の新人看護師の仕事ぶりに対して否定的な発言をしていました。中には純粋に早く成長してもらうために、あえて病棟スタッフ全体に話をするようにしている人もいると思います。しかし当時はまだ馴染んでいない環境だったので、まるで個人の吊し上げを一緒に受けているような辛い気持ちになってしまいました。
また現在働いていても、看護学生や新人看護師が不在の場面で、指導していた看護師が他の看護師に「あの子のケアの仕方はこんなだった」や、「あの子の記録はこんな内容だった」と面白おかしく話している場面にもちょくちょく遭遇します。当事者が帰った後であったとしても、そのような話を聞かされている側も気分が悪くなってしまいますよね。
あるある④:看護師の嫉妬心?私が遭遇した先輩看護師のびっくり行動

医師の中には、普段は厳しくても初々しい看護学生や新人看護師の姿に、つい優しく対応をしてくれる先生がいます。その光景を見るとほほえましい気持ちになりますよね。しかし私が新人看護師だった頃、それを良く思わなかった先輩看護師同士で、「あの子は色目を使っているんじゃないか」と陰口を話している場面に偶然遭遇してしまったことがあります。
さらに驚くことに、お気に入りの医師に指示を仰ぐときにはあえて自分で聞きに行くことで、きっかけを持たせないようにする看護師もいました。純粋に仕事を学ぼうとしている看護学生や新人看護師からしたら、ただ仕事の話を真剣にしているだけなのに……とやりきれない思いになりますよね。私は当時の嫌だった経験から、なるべく看護学生や新人看護師が医師と積極的に関われるように促していますが、周りでそのような態度をとる人が未だにいるとあきれてしまいます。
まとめ:命を預かる大切な職業だから厳しい指導は仕方ない……?
いかがでしたか?今の自分や周りの看護師で当てはまるような人はいましたか?
今の時代はコンプライアンス重視の社会で、一般企業の新人研修などでは優しく丁寧に指導をしていく傾向が多いのではないでしょうか。ところが看護師という職業は人の命を預かる責任感の重い仕事なので、現代においてもある程度の厳しい指導は仕方がないという意見もあります。確かに私自身も新人看護師が患者の不利益になるような行為をしてしまった場合には、少々厳しく指導をしてしまうことがあります。しかし、私自身も含めてどの看護師もそれぞれの看護学生、新人看護師の時期を経て今の自分があります。ときには初心に返って新人時代を思い出し、あのとき自分がされて嫌だったことはしないように意識して指導内容を考えることも大切だなと思っています。