「看護は好きだけど、仕事がつらい」
看護師として働く中で、このような悩みを抱えることはありませんか?つらいと感じる原因は、業務上の大きな責任や人間関係などさまざまでしょう。
私も仕事のミスや先輩の厳しい指導で、つらい経験をしてきました。それでも今は、病棟勤務を続けつつ、好きな看護と向き合えるようになりました。そのきっかけは、読書により自分の考えや行動が変わったことにあります。
私は月に3〜5冊のペースで10年間に500冊の本を読んできました。この記事では、読書が仕事のつらさを和らげる理由をお伝えします。
高橋たいき
岩手県花巻市出身の看護師。看護師歴5年目。大学を卒業後10年間営業職を経験。その後、一念発起し看護の道へ!
読書が変えた私のつらさ
私は、急性期と慢性期をごちゃ混ぜにしたような病棟に勤務しています。
今は5年目になりますが、当時は入職後3年ほど経った頃で、リーダー業務を任されるようにもなっていました。期待に応えようと頑張っていましたが、経験が未熟なばかりに、業務の中で思う通りにいかないことが続きます。うまくいかないことが続くと、ひどく落ち込みました。
私は幼少期から、他人の目を気にする性格でした。「結果を出さないと認められない」、そんな風に感じてしまう心の癖があったのです。先輩の目にも怖さを感じたり、ビクビクしたり、そんな自分が嫌で嫌でたまりませんでした。萎縮してまた失敗して、そのような悪循環に陥ることが何度もありました。
忙しい日々に心が追いつかず、看護師は向いていないかもしれない、と考えるようになり、仕事に行くことも億劫になることが多くありました。そんな中、悪循環を抜け出すきっかけとなったのが「読書」でした。
読書で仕事のつらさが和らぐ3つの理由
読書によって受けた影響で、私はもう一度好きな看護に向き合えています。読書がなぜ仕事のつらさを和らげるのか、その理由を3つお伝えします。
コミュニケーション能力が向上する
読書は、患者さんや仕事のメンバーとのコミュニケーション能力の向上に役立ちます。登場人物の考え方や気持ちを知ることで想像力が身につき、看護や実際の会話に活かせるからです。
私自身も本に出てくる多くの人物から、自分とは異なる考え方や気持ちを知りました。そして、患者さんに接する時やメンバーと関わる時に「これを言ったら相手はどう思うだろう」、「あの人は、きっと今こう感じているのではないか」などと想像をふくらませることができるようになりました。
それによって、相手とのコミュニケーションがスムーズになります。患者さんと話すことが楽しくなったり、苦手だと感じていた先輩を好きになれたりしたことで、仕事が苦ではなくなりました。
読書でコミュニケーションの力が育まれると、仕事や人間関係に活かせるでしょう。
論理的な思考や、伝えたいことを言葉にする力が身に付く
看護業務には、記録や申し送りといった、言葉を使う場面が数多くあります。本を読むことで論理的な思考や伝えたいことを言葉にする力が身に付き、看護業務がスムーズに行えるように。私は読書を通じて良い文章にたくさん触れ、学ぶことで、自分自身の業務に生かすことができました。
看護記録では書く時間や文章のミスが減り、申し送りではコミュニケーションエラーを防げています。業務をスムーズに進められるようになったことで、自分に自信が持てるようになり、ミスをしても極端に落ち込むことがなくなりました。
多くの編集工程をかけて出版された本には、インターネット上にある文章に比べて読みやすく、分かりやすい文章が多いです。良い文章にふれて業務に生かすことができたら、つらい気持ちに変化が生まれます。読書が、自分に自信をもたらしてくれるかもしれません。
ストレス解消になる
読書は気分転換になり、ストレス解消につながります。ゆっくり読書をしている時間は本の中の世界に浸ることができ、現実のつらい気持ちを意識せず、距離を置けるからです。
私は毎日30分程度の読書を欠かしません。読む本は看護とは関係ないものばかりで、小説や料理の本、ビジネス書などさまざまです。小説に出てくる風景を想像したり、休日に作りたい料理を考えたりしていると、つらい出来事を思い出す時間が減ります。それによって気分が晴れることが多くありました。
つらいことばかりに意識を向けそうになる時、読書の時間があなたのストレスを減らしてくれるかもしれません。
まとめ
読書によって、仕事のつらさを和らげられると私は考えています。
私は読書をきっかけに、好きな看護に向き合う時間とエネルギーを増やすことができました。
心がつらくなった時、今回紹介した内容を思い出して、気になる一冊を手に取ってみてください。