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美容で認知症予防!高齢者施設で介護士・看護師も夢中になる美容イベントとは

美容の力は、見た目の変化だけではなく、心の健康にも大きな影響を与えます。
自分を大切にする時間を持つことで、ストレスが軽減され、自己肯定感が高まると感じたことはありませんか?

今回は、高齢者の「できる」に着目し、高齢者施設で美容イベントを開催する、株式会社ウェルネスエキスパート代表取締役、内野仁美さんにお話を伺いました。
高齢者も、介護士・看護師も、夢中になる美容イベント。内野さんの思いとイベントの魅力の秘密に迫ります。

目次

美容イベントを通じて高齢者の自信回復と認知症予防

ー高齢者施設での美容イベントの具体的な内容について教えてください

一般的な訪問美容では、髪を切ってもらったり、ネイルをしてもらったりなど、高齢者にとっては完全に受け身のサービス形式となりがちです。しかし、最近では「アクティブシニア」という言葉もあるように、元気な高齢者がたくさんいます。また、軽度の認知症を持つ方でも、全く何もできないわけではありません。

私たちは、高齢者の「できる」に着目し、高齢者が日常生活で実践できる簡単な美容プログラムを提供しています。デイサービスのアクテビティやサービス付き高齢者住宅の入居者募集のイベントなどでご活用いただいています。

ーイベントを通して高齢者にどのような変化が見られましたか?

イベントでは、各々セルフケアを楽しむ姿が見られました。若い頃を思い出されたり、元気に動いていた頃を思い出されたり、普段のルーティンでは生まれない新しい会話や気づきが得られる機会になっているそうです。アンケートでは、セルフケアが楽しかった、興味深かったという回答が多くありました。

回想療法は、記憶を呼び起こし、話すことで脳を刺激し、認知機能の低下を防ぐことが期待されています。また、社会的なつながりを感じることで孤独感を減少させ、心理的な安定をもたらします。私たちの美容イベントは、セルフケアを通して高齢者が自信を取り戻すだけでなく、精神状態の安定や認知症の予防にも効果があると考えています。

ー高齢者が自ら参加するイベントにするために、どのような工夫をされていますか?

イベントには、介護士・看護師などのケアワーカーや家族も一緒に参加してもらっています。ケアワーカーや家族がサポート役となり、高齢者が安心して参加できる環境を作ることで、より多くの方に楽しんでいただけています。イベント終了後も、施設内でセルフケアを実施し、習慣化して頂けたという声もよくお聞きします。

美容イベントを通じて介護者・看護者、家族もケアする

ー高齢者施設で美容イベントを始めようと思ったきっかけは何ですか?

エステティシャンとして働く中で、お客様に介護士・看護師などのケアワーカーや、子育てや介護などで家族のケアをしている方が多いことに気づきました。両親が認知症の祖母を介護をしている姿を間近で見ていたというのもあり、ケアをしている人にサービスを届けたいと思ったのがきっかけです。

高齢者を地域全体で多職種がケアをするという考え方は広く浸透していますが、私たちが考える包括ケアは少し違います。高齢者だけでなく、ケアに関わる介護士・看護師などのケアワーカー、家族の方々も含めてサポートする仕組みを作っていくことを目指しています。

美容イベントは、介護士・看護師などのケアワーカーや家族にセルフケアを知ってもらう機会になっています。

ー介護者・看護者、家族からのイベントの反響はいかがでしたか?

参加者の98%以上の方に、「また実施してほしい」「継続したい」といった声を頂いています。普段とは違う生き生きした表情が見ることができたと話され、アンケート結果からも介護者・看護者や家族の方が満足していることが分かりました。

美容イベントと併せて、施設の従業員の方が休憩時間でも取り入れられる短い時間の施術をセットにしたプランもご用意しています。気軽に利用しやすく、癒しやストレス解消になったとご好評いただいています。

介護士や看護師などの専門職と協力して活動を広げたい

ー今後の目標やビジョンを教えてください

弊社は、令和6年度福岡市ソーシャルスタートアップ成長支援事業の認定事業者として、社会課題の解決にも積極的に取り組んでいます。地域の体操教室のように気軽に参加できる場を作りたいと考えています。美容サービスは運動ほどのモチベーションを必要とせず、見た目の効果がすぐにわかるため続けやすいはずです。美容を通じた習慣作りが、高齢者の健康維持に役立つと信じています。弊社では現在クラウドファンディングに取り組んでいます。興味を持たれた方は、ぜひ特設ページを覗きにきていただけると嬉しいです。

また、理学療法士や作業療法士のメンバーの協力を得て、私たちの美容イベントのプログラムの理論を明らかにしています。今後は、大学と協力して、私たちの美容イベントのプログラムが、精神状態の安定や社会参加への行動起点として認知症やフレイル予防に効果があるのか実証研究を行う予定です。

介護士や看護師などの専門職と協力し、私たちの美容イベントのプログラムを、高齢者施設だけでなく地域や福祉サービスにも普及させて行きたいです。ぜひ皆さんのお力をお借りできればと思っています。

クラウドファンディングはこちらからチェック!
https://furusato-forgood.jp/projects/000072

まとめ

高齢者だけでなく、介護士・看護師などのケアワーカーや、家族の方にもケアを届けたいという、内野さんの思いが強く伝わってきました。

美容イベントを通じて、多くの高齢者が自信を取り戻し、認知症予防にもつながるこのプロジェクトの広がりに期待しています。

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この記事を書いた人

看護師・助産師。年間500人の赤ちゃんの家庭訪問をする助産師。総合病院にて新生児集中治療室・産科病棟、不妊治療専門クリニックを経験。2回の転職を経て現職へ。現在は保健センターで新生児乳児訪問に従事しながら、性教育講師や医療ライターとしても活動する。趣味は旅行。愛称はじょさんしハムちゃん。

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