皆さんは「民間救急」をご存知でしょうか?病院やクリニックでの一般的な看護業務とは異なる民間救急の仕事は、隙間時間を有効に活用できる新しい働き方です。救急搬送が必要な方々に対して、医療専門知識を持った看護師が同行し、安全に移動を支えるという特別な役割があります。 その移動時の特別な役割を担うのが「モビリティーナース」です。
この記事では、民間救急で働く魅力やその実際の仕事内容について、私の体験談を交えながらご紹介します。皆さんの看護師としての新しいキャリアの選択肢としていただけたら嬉しいです。
民間救急とは?民間救急に同乗するモビリティナース
民間救急サービスは、病気やケガなどで移動にサポートが必要な方のために、医療知識を持つ看護師と救命士が付き添い、一般的な救急サービスがカバーしきれない領域でのケアを提供するサービスです。
具体的には急性期病院から亜急性、または慢性期の病院(回復期リハビリ病院や地域包括ケア病棟、療養病棟のある病院など)への転院や退院時の帰宅サポート(施設を含む)、遠距離の移動などに同行します。民間救急は福祉タクシー、介護タクシーなどと呼ばれている事業者が行っています。
ドコケア事業所の紹介
ケアプロ株式会社が運営する「ドコケア」は、看護師による外出支援サービスから始まりました。結婚式や旅行などの支援や買い物や通院同行などを看護師や介護士で行っています。2023年より介護タクシー・民間救急としてサービスを展開しています。
モビリティーナースとは
ドコケアでは転院・退院時の介護タクシー等での医療的ケアサポート、通院時のサポート、医療依存度の高い方が希望する日帰り旅行及び移動でのケアなど、病棟看護師、訪問看護師ではカバーできない医療ニーズに対応する看護師を「モビリティーナース」と呼んでいます。
民間救急の現場から見えたモビリティーナースとしての楽しさ
今回、私は初めてドコケアの民間救急で仕事に同行させていただきましたので、詳しい内容をご紹介します。
今回は急性期病院から回復リハビリ病院への転院する際の移動のご依頼です。患者さんは気切をしており、頻回な痰の吸引が必要ということで民間救急のでの移動となりました。
集合は朝8:45駐車場に直接
福祉車両のドライバーさん、同乗の看護師さんと病院の駐車場にて待ち合わせ。
まず、担当患者さんの容態と目的地についての詳細情報を確認。今回はストレッチャーにて搬送、吸引が必要ということで物品と吸引器の動作確認を行いました。 ドコケアの車両に乗ることもあれば、他の民間救急(介護タクシー)に同乗する形でのお仕事になるので、物品の確認、特に本当に使える状態か器械の確認が大切だそうです。ドライバーさんと2人で移送を行うことがほとんどだそうで、コミュニケーションを取りながら、その日に移送が安全に行えるように準備はとても大事だと思いました。
9:00過ぎ病棟へお迎え
病棟へはドライバーさんと一緒に移動します。ドライバーさんは病院の入り方なども詳しいので、看護師はついていきます。
退院の準備をしながら、病棟看護師より状態の確認を行います。多くの病状の情報を把握していない場合もあり、移動中での観察の視点や救急対応、ケア方法などを中心に情報をいただきます。イメージとしては家族に変わって移動時のお世話を行うよう感じです。吸引に必要な物品や方法などはその場で確認し、不足している物品をいただきました。
ストレッチャーに移動し、いざ出発です。
久しぶりの太陽
病院の外に出たのは久しぶりの様子です。「外の空気も久しぶりですね」というと、小さくうなずき、目を細めていました。ちょっとした患者さんの和らいだ表情が素敵だなあと感じました。天気も良く、駐車場までも目元は手で日陰を作って移動。
車内にて
ストレッチャーのまま車内に乗り込みます。移動時は揺れもあるので、患者さんの点滴ルートやドレーン類の確認をしながら、吸引は信号で止まった際などに行うということで、できるだけ搬送を優先するように配慮されていました。今回はご本人だけが車両に乗り、ご家族は別の車での移動でしたが、ご家族が同乗することもあるそうです。患者さんの様子を見ながらできるだけ快適な道中になるようにコミュニケーションも大切だと思いました。咳き込みはありましたが、吸引の必要はないと判断し、30分の移動中、吸引は1度も行わず(準備のみ)転院先の病院に到着しました。実際、お仕事の大半は見守りだそうです。
引き継ぎ
予定の30分で病院に到着。ご家族の到着とほぼ同時に、院内へ移動しました。
病棟看護師を待つ間、患者さんはロビーでお孫さんにも会うことができ、嬉しい場面にも立ち会うことができました。
ご家族より書類や処方薬などを渡していただき、モビリティーナースから病棟看護師への申し送りは、車内では吸引していないことを伝え、病院から預かってきた物品を手渡しし、終了となりました。お仕事は以上で、集合から約2時間弱でした。終了後、スマホで「業務終了報告」を記入して全てが終了です。
モビリティーナースとして働いてみての感想
民間救急モビリティーナースとして現場で働いてみて、感じたのは「患者さんに寄り添う」という看護の基本を再認識できたことでした。医療機関でのケアとは異なり、患者さんの日常生活の延長線上、今回は移動というちょっとした時間にはなりますが、そこで医療サポートが行われるため、病棟とは違う患者さんの表情にも触れられました。そして看護師として「観察する」「医療的ケアを行う」ということだけに専念することができる環境でした。
仕事は2時間ちょっとですので、隙間時間に行う副業としても看護師の経験や知識を十分に活かしながら行える新しい働き方だと思いました。普段は訪問看護をしている私ですが、リフレッシュにもなりました。
こんな人におすすめ
民間救急の仕事は、患者さんケアに集中したい人におすすめです。移動の中で直接的な会話や観察を通して、患者さんの安心と安全を守ることに大きな責任を感じられる方に適しています。また、短時間でも医療サポートを提供することができ、好きな時間を有効活用できるため、自分のライフスタイルに合わせて「+αで」経験値を積みたい人にもぴったりです。普段の環境を離れ看護師としてリフレッシュしたい方にもおすすめしたいです。
「人に寄り添う看護がしたい」「病院勤務とは違う形で患者さんに貢献したい」という想いを持った看護師さんにはぴったりの仕事です。
まとめ :モビリティーナースとは
民間救急の看護師は、短時間ですが患者さんに集中して寄り添えるという独自の魅力を持っています。普段とは違う環境で看護を提供することや介護タクシーのドライバーさんとコミュニケーションをとったり、在宅療養生活のスタートに携われたりという点でも看護師としてのやりがいを実感させてくれる場です。もしもあなたが「患者さんに寄り添いたい」「隙間時間に働きたい」「いろんな経験をしてみたい」と考えているなら、民間救急での仕事は素晴らしい選択肢となるでしょう。
皆さんもドコケアが提供する民間救急で、「モビリティーナース」として新たな一歩を踏み出してみませんか?
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※お仕事は登録制で、案件ごとに募集があり、都合に合わせてお受けいただくスタイルです。現在一都三県でのサービスの展開がメインとなります。案件ごとに集合時間、移動時間(距離)が違いますので、自分に合った案件に応募していただきます。多くの案件に対応するためにたくさんの看護師さんの登録にご協力をお願いします!