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「小1の壁」に直面した看護師が感じた、在宅で働くメリット・デメリット

就学を控えたお子さんを育てる看護師さんの中には、いわゆる「小1の壁」に不安を感じている人もいるでしょう。待機児童の多い地域に住んでいたり、周囲のサポートが受けにくかったりすると、今と同じ働き方を続けていけるのか心配ですよね。
この記事では、在宅でWebライターや産業看護職として働いてきた著者が、看護師が在宅で働くメリット・デメリットについて紹介します。
在宅ワークに興味がある子育て中の看護師さんは、ぜひ今後の働き方について考える際の参考にしてください。 

目次

資格があっても働けず在宅ワーカーへの転向を決意


私が在宅で働くことになったきっかけは、夫の転勤に伴う引っ越しでした。ちょうど子どもたちが就園・就学のタイミングだったため、当初は新生活が落ち着いたら再就職しようと考えていました。
しかし、いざ求職活動を始めると、さまざまな壁にぶつかったのです。

待機児童が多く子どもの預け先がない

待機児童が多い地域に引っ越したため、子どもたちの預け先を探すのにはとても苦労しました。幼稚園に入園した娘は預かり保育が利用できたものの、学童はどこも空きがなく、小1の息子を預ける先が見つからなかったのです。
念のため院内保育所がある病院も探してみましたが、やはり就学後の子どもを受け入れているところはありませんでした

働ける時間が短く再就職先が見つからない

子どもが学校に行っている間だけでも働けないかと考え、自宅近隣で短時間勤務ができるところを探しました。
しかし、同じ境遇の人が多いためか、午後の時間帯や土日・祝日に働ける人、夜勤ができる人を求めているところばかりだったのです。
これまで職探しに困ることがなかった私は、国家資格があっても再就職できないことに焦りを感じました

小1プロブレムに直面した息子のメンタルが不安定に

息子の入学後は、いわゆる「小1プロブレム」への対応にも頭を悩ませました。就学後の子どもが学校生活に馴染めないことによって起こるさまざまな問題は、小1プロブレム(小1問題)と呼ばれます。
「小1の壁」は、就学による生活スタイルの変化などに伴って保護者が直面する問題ですが、小1プロブレムは子ども自身が直面する問題を指します。
精神的に不安定な息子を見て、「こんな状況で働けるのだろうか」という不安が強くなり、求職活動はさらに難航しました。

職探しを続けるなかで、小1の壁によって働き方を変えたり、仕事を辞めたりする人が予想以上に多いことに驚きました。
また、小1の間は学童に通えても「就労時間が短く小2で学童に入れなくなった」「小1の弟は学童に入れたが小3の兄は落ちてしまった」といった人たちもいました。
そこで、子どもの預け先がなくても仕事を続ける方法はないかと考え、資格を活かして在宅で働くことにしたのです。

最大のメリットは「子育てとの両立のしやすさ」

実際に在宅ワークを始めてからは、子育て中のママに嬉しい、さまざまなメリットがあることを実感しています。ここでは、私が感じている在宅で働くメリット6つをご紹介します。

1. 家庭の状況に合わせた働き方ができる

業務量や勤務時間を調整できることは、在宅で働く最大のメリットだと感じています。
息子が通う小学校は、運動会や持久走大会などの学校行事が平日開催です。PTA活動も基本的には平日の昼間に行われるため、仕事のスケジュールを柔軟に調整できる働き方には、本当に助けられています。

2.隙間時間を活用して家事を進められる

子どもが中学年ごろまでは、お友だちと遊ぶときの付き添いや、習い事の送迎などが必要です。
放課後は一気に慌ただしくなりますが、在宅ワークであれば休憩時間に夕食の下準備をするなど、ちょっとした家事を済ませられます

3.忙しい朝も余裕を持って子どもを送り出せる

外で働いていたころは朝の身支度や家事に追われ、子どもを急かしながら焦って家を出ることばかりでした。今は通勤時間がないため、忙しい朝も余裕を持って子どもを送り出せています
子どもの行き渋りをなだめたり、登校に付き添ったりできるのも、時間と心に余裕が持てているからだと思います。

4. 新しいスキルを身に付けられる

パソコンを使って仕事をしていると、自然とITスキルが鍛えられます。また、クライアントと直接やり取りするなかでビジネスマナーが身に付き、コミュニケーションスキルも高まったように感じます。

5. 資格に縛られず興味のある仕事にチャレンジできる

看護師資格にとらわれず、興味のある仕事に挑戦しやすいのも在宅で働くメリットです
私は病児や障害児の支援に興味があったため、現在は関連団体で広報業務を請け負いながら知見を広げています。

 6. 自分の努力次第で収入を増やせる

業務内容によっては、仕事の単価やボリュームを自分で決めることが可能です。努力次第で収入アップが目指せるのは、病院や施設で働く看護師との大きな違いでしょう。
私は働ける時間が短いため、月収よりも時給を上げることを意識しています。

在宅ワーカーへの転向は計画性が大切

一方で、事前の情報収集ではわからなかった、在宅で働くことのデメリットも感じています。メリットだけを見て在宅ワーカーになると、上手くいかなかったときに挫折する可能性が高くなってしまうでしょう。
在宅で働くデメリットや対処法についても、事前にしっかり確認しておくことをおすすめします。

必要なスキルを習得するのに時間とコストがかかる

看護師が在宅で働く方法は複数ありますが、業務内容によっては新しい知識や技術を身に付けなければなりません。必要なスキルを習得するのに、ある程度の時間やコストがかかることは覚悟しておきましょう。
「なるべくお金をかけずにスタートしたい」という方は、パソコンとインターネット環境のみで始められる仕事を探すのがおすすめです。

長期休みは思うように仕事が進まない

長期休みに子どもを預けるところがないと、作業時間が思うように確保できず、予定通りに仕事が進みません
私は請け負う仕事を一時的に減らしたり、納期に余裕を持たせてもらうようクライアントに交渉したりして乗り切っています。

思うような収入がすぐに得られるとは限らない

業務内容にもよりますが、在宅ワークが軌道に乗るまでは、思うような収入が得られないと予測されます。まずは副業から始めてみたり、複数の仕事を掛け持ちしたりするなどの工夫が必要です。
私はライターの他にも、フルリモートで産業保健業務を請け負うなどして収入を増やしていました。

トラブル対応や事務作業なども自分で行う必要がある

仕事を請け負う中で発生したクライアントとのトラブル、帳簿付けや確定申告といった経理作業などは、自分で行わなければなりません。「法律やお金に関する知識を積極的に身に付ける」「フリーランス向けの保険に入って万が一に備える」といった対策が重要です。

基本的に一人で作業するため心細さがある

とくに在宅で働き始めて日が浅いころは、仕事で困ったときに相談できる相手がいないことに不安を感じます。私はいくつかのコミュニティに所属して、ライター仲間と情報交換をしたり、仕事の悩みを相談し合ったりして乗り切っています。
オンライン上でも良いので、横の繋がりを作っておくと心強いでしょう。

まとめ:子育てと仕事の両立に悩んだら在宅で働く道を選ぶのも一つの方法

子育てと仕事の両立に悩んだら「看護職=医療機関で働く」という考えに縛られず、在宅で働く道を選ぶのも一つの方法だと思います。
私は在宅で働き始めた当初、「看護師なのに現場で働かなくて良いのだろうか」という不安がありました。しかし、働くこと自体を諦めずに済んだのは、看護職の資格を活かして在宅で働く道を選んだおかげです。
在宅で働きたいと思ったら、まずは「在宅ワークにはどんな種類があるのか?」「知識や経験を活かせそうな仕事はあるか?」について調べることから始めてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

仕事と家庭の両立に悩み続け、ライフスタイルの変化にあわせて4度の転職を経験。「ナースでも在宅で働きたい」という思いから、現在はライターや産業保健師として活動中。プライベートでは2児の母。

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