「イライラしている人がいると、感情を感じ取りおどおどしてしまう」
「明るくハキハキ働く同僚と自分を比べて落ち込む」
「マルチタスクを課せられると、頭の中で処理しきれず一時停止してしまう」
もし、思い当たることがあるなら、あなたにもHSPの気質があるかもしれません。
HSP(Highly Sensitive Person)とは、感受性が強く、繊細な人のことをいいます。
私自身もHSPであり 、敏感過ぎる性格ゆえ看護師として働くことに限界を感じることもありました。 そんな私でも、医療現場で働き続けています。
この記事では、私自身の経験を通してHSPでも看護師として自分らしく働くポイントをお伝えしたいと思います。
HSP看護師と知らず自己嫌悪の日々
HSPは、アメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士が提唱しました。HSPには、 「DOES(ダズ)」と呼ばれる4つの特性があると言われています。
- (Depth of processing)深く考え、深く処理する
- (Overstimulation)刺激に敏感
- (Empathy and emotional responsiveness)感情が強く反応しやすい、共感力が高い
- (Sensitivity to subtleties)ささいな刺激を察知する
まさに私も一つ一つの出来事にとらわれ、先に進めなくなるタイプでした。そんな私が看護学校を卒業後に就職したのは、約900床を有する地方の基幹病院でした。三次救急も担っており、急性期からターミナル期の患者さんを看るような病棟に配属となりました。新人の頃の私は、目まぐるしい現場で周囲の殺伐とした雰囲気を感じて萎縮してしまい、その態度が先輩やドクターをイライラさせ悪循環となっていました。
一方で同期は、明るくハキハキして先輩たちからも好かれており、自分と比べて落ち込むばかり。せっかくの休みの日も、次に出勤することを考えて楽しめないという日々でした。
新人の頃だけではなく、経験を積んだ5年目以降でも同様でした。主任代行を任せられるようになったものの、展開の早い急性期病棟で臨機応変に対応することが苦手。そのため自分の判断は正しかったのかと、常にプレッシャーを感じながら仕事をしていました。
当時はHSPという言葉も知らず「看護師に向いていない」「私は役立たず」と自分を責めるばかりでした。
HSP看護師の自分を評価できる環境に
働きづらさを感じながらも、仕事だけではなく違う世界も見てみたいという思いが出てきました。そして、バックパッカーとして海外を旅することを決めて退職したのは看護師7年目。
医療現場から離れて世界を旅する約1年の間に気づいたのは、「誰かの役に立ちたい。やっぱり看護の現場に戻りたい」という思いでした。帰国後は、中規模の総合病院や訪問看護、がん腫瘍内科クリニックなどを経験しました。それらの職場では以前働いていた急性期の病院と違い、業務に追われることなく仕事をすることができました。仕事内容が評価され、定期昇給とは別に基本給が上がったこともありました。
HSP看護師という自分の特性を知ると働きやすい
その後、出産子育てを経て、再び単科の病院に仕事復帰しました。単科ということもあり、時間に追われることなく働ける職場でしたが、経営の関係で他の病院と統合されることになりました。その病院というのが、看護学校卒業後に就職した急性期病院だったのです。
統合された病院の業務は相変わらず煩雑で忙しく、スタッフもピリピリしています。緊張のあまり失敗も増え、役に立てない自分に自信を失うばかりでした。
ちょうどその頃、ポッドキャストでHPSという言葉を知り、自分がHSPであることに気づきました。「私はHSPという気質のせいで、働きづらかったのかもしれない」ということに気づきました。それと同時に、自分の能力が低いせいでうまくいかないと思い込んでいた気持ちが少し楽になったのを憶えています。
思いがけずハードな職場に逆戻りしてから2年半経ち、今も同じ職場で働いています。働きやすい環境に転職することも一つの選択肢でしたが、私の場合は子どもが幼く、急な病気で休みとなったときの支援が整っている病院で働き続けることにしました。今は、落ち込みながら職場に向かっていたころと違って、ずいぶん楽な気持ちで出勤しています。
HSPについての書籍を何度も読み、経験を通して気づいた、HSPでも看護師として自分らしく働くポイントをお伝えします。
HSP看護師でも大丈夫、自分らしく働く3つのポイント
1、ノートに気持ちをアウトプット
新人のころは看護師仲間で集まり、仕事の愚痴を話してストレス解消していました。今は、子育て中でコロナ禍ということもあり、友人と会う機会も少なくなりました。その代わりに活用したのがノートです。
ポイントは「こんなこと思ったらいけない」とジャッジすることなく、ありのまま書き出してみることです。脳の中には「ワーキングメモリー」というものがあり、そこがいっぱいになると判断が鈍ったり、集中力が低下したりするといわれています。
さらに私はありのままの気持ちだけでなく、できごとや事実を書き出すことで、実は先輩や上司に評価してもらえていることにも気づくことができました。
2、マインドフルネス瞑想
急性期の現場では、たくさんの情報が次々と入ってきます。多くの情報を拾い、深く処理しようとするHSPは、頭の中が混乱し疲れてしまいがちです。
そこで脳の休息が大切になるのですが、実はぼーっとしているだけでは脳は休息できません。何も考えていないと脳は休んでいると思いがちですが、起こりうることにいつでも対応できるような回路が働いていると言われています。
そこで脳の休息のために「マインドフルネス瞑想」を取り入れました。すると山積みの情報にアレコレと目移りしていた頭の中が、少しずつ整理できるようになりました。
瞑想というと敷居が高く感じますが、私は「歩きながら足の裏の感覚を感じる」「手を洗いながら泡や水の感触を感じる」といった、「ながら瞑想」を日々の生活に取り入れています。
3、サードプレイスを活用する
サードプレイスとは、自宅(ファーストプレイス)や職場・学校(セカンドプレイス)ではなく、個人としてくつろぐことのできる第3の居場所のことです。
HSPは共感能力が高く相手の気持ちを汲みとることは得意ですが、自分の思いを主張することは苦手で、思いをため込みがちです。その苦手な側面を克服する場所としてサードプレイスを活用します。
私は、世界各地に住む女性が集まるオンライサロンに所属していて、そこがサードプレイスになっています。オンラインサロンでは、運営主催者である管理者が発言の管理もしているので不適切な発言は起こりにくく、相手の意見を尊重しながら自分の思いを主張する練習ができます。
今はSNS上で運営されるクローズドのコミュニティもあります。共通の趣味や学びの情報交換をする目的や、プロジェクトを企画する目的など様々で、自分の趣味や学びたいことで探してみると良いでしょう。
HSPの特性をいかし看護師として働くために
HSPは程度にこそ差はありますが、誰にでもある長所短所の一部です。善し悪しを判断する必要もありません。
ただ、自分が「しんどい」「働きにくい」と感じているなら、良くするための工夫は必要です。転職や部署の異動が、すぐにはできないこともあるでしょう。そのために必要なのは、適切な休息と自分と向き合うことのように思います。
今回は私らしく働くためのポイントとして自分と向き合う方法をお伝えしました。敏感であるというHSPそのものの性質が、看護師の役割に合っている側面もあります。地道になりますが、自分の特性を知り、積み重ねることが、自分らしく働くことにつながるのではないでしょうか。
今後、HSPの特性をいかした看護師がますます活躍できると嬉しいです。
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『敏感すぎる私の活かし方 高感度から才能を引き出す発想術』エレイン・N・アーロン著
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『Japan Sensitivity Research 心理学者によるHSP情報サイト』
HSPとは | 研究にもとづくHSP情報サイトJapan Sensitivity Researchは、研究にもとづく信頼できるHSP情報サイトです。研究にもとづくHSPwww.japansensitivityresearch.com
(ライター:りりこ)