訪問看護の領域に挑戦してみたいと考えたことはありませんか?近年、在宅医療の需要の拡大から、訪問看護への関心が高まっているように感じます。
しかし、病棟勤務から訪問看護へ転職したいと思っても働くイメージがわからず不安になりますよね。訪問看護を体験した今、転職を考えるときに知っておきたかった働き方や生活の変化、実際の看護の考え方について訪問看護3年目の私がお伝えします。
働き方が変わる!オンコールと初めての営業活動
病棟では看護師を24時間配置するためにシフト制を導入し、日勤や夜勤など交代勤務があります。
しかし、多くの訪問看護ステーション(以降、事業所と表記する)は、平日の昼間がコアタイムとなります。夜勤はありませんが、緊急対応を導入している事業所では365日24時間体制での対応が必要なため、オンコール当番があります。
オンコールとは夜間や休日に電話で相談を受け、必要時に訪問を行うことです。24時間いつでも対応できるように携帯電話を持ち待機します。
また事業所によっては、新規利用者を獲得するために病院などに営業活動を行ったり、地域包括支援センターの勉強会や地域のイベントに協力したりすることが仕事内容に含まれるかもしれません。私自身も依頼をいただいて、地域の訪問介護事業所が集まる会議で感染の勉強会を行ったことがありました。
休日の使い方と就業後の生活の工夫が必要
病棟勤務は休みが不規則で夜勤もあります。しかし夜勤のあるシフト制だからこそ得られるメリットも。例えば平日の夜勤前や明けで公共の手続きを済ませられる、施設が空いている、さらに平日料金で安くて得をするという経験はないでしょうか。平日の休みはとても貴重だと今は思います。
対して訪問看護は休みがほぼ固定です。基本的に土日が休みです。夜勤の代わりにオンコール担当があります。
オンコールの待機中は基本的に実務はありません。しかし緊急連絡が入ったときに素早く対応できるようある程度生活に制限がかかります。私は連絡をもらってから30分以内に到着できるよういつも準備をしています。夜はすぐに出発できるよう服を枕元に置いて、訪問のカバンを用意した状態で自宅で過ごしていました。オンコール担当になると出かける範囲や休みの過ごし方についても制限を受けるため、生活の仕方も気を配る必要があります。
目の前の「点」ではなく「線」で1週間を捉える看護
ケアの時間は病棟なら24時間365日ですが、訪問看護では多くは1回30分〜90分で週に1回です。中には、2週に1回、1ヶ月に1回、3ヶ月に1回という方もいます。病院のように常にモニタリングできないため、次の訪問までにどんなことが起きるのかをアセスメントしなければなりません。
数日後に体調を崩す要因がないか。他職種と連携し、自分が訪問しない時間の情報を収集することやアセスメントの内容を共有して、他職種の介入時のリスクや体調の変化を予測するという考えが必要になります。今観ている瞬間の「点」ではなく、利用者さんの1週間の生活を「線」で捉える視点が重要になってきます。
具体例をあげると、呼吸器系に問題がある方が他の曜日にヘルパーさんの介助で入浴をしていたときの話をします。入浴によって疲労を感じてしまうことで、お風呂に対して意欲の低下や病状の悪化につながるリスクがありました。私が訪問したときの利用者さんの状態からアセスメントし、ヘルパーさんと情報を共有して負担の少ない方法の提案や、薬剤、酸素管理で調整を行いました。
自分自身が介入していない時間のことまで考えて安全、安心に過ごせるよう配慮します。他職種との連携や次回訪問までを予測した介入は訪問看護の醍醐味であり、非常におもしろい点だと考えています。
まとめ
病棟勤務から訪問看護へ転職するとどう変化するのかイメージできたでしょうか?病棟勤務も訪問看護もどちらで働いても自分に合う合わない部分はあります。
転職をすると働き方や仕事の中身が大きく変わるため、生活の仕方を考えるタイミングとなります。この機会にぜひご自身の理想のライフスタイルにあてはまるものを選んでいかれてはいかがでしょうか?
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