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看護師が仕事にやりがいを持てない理由は?対処法も紹介

やる気がない女性看護師
  • 日々の業務に疲れ切って仕事にやりがいを感じられない
  • 残業や休日出勤、持ち帰りの仕事が多く毎日つらい

看護師として働くのは大変なこと。忙しさや業務の多さのために、疲れ切っている人も多いのではないでしょうか。

都道府県の看護協会が運営する都道府県ナースセンターの調査では、次のような結果が出ています。

現在、就業していない看護職(727人)が看護職として勤務していた直近の就業先を離職した理由は、「妊娠・出産」24.2%が最も多く、次いで「自分の健康状態(身体的なもの)」18.3%、「自分の健康状態(精神的なもの)」13.3%、「子育て」10.3%、「時間外労働(残業)が多い」9.6%などである。

引用:「平成24年度都道府県ナースセンターによる看護職の再就業実態調査」、eナースセンター、https://www.nurse-center.net/nccs/scontents/sm01/SM010801_S2401.html、最終アクセス:2021/03/02

家族やライフイベントによるもの以外では、健康状態や時間外労働が多いことが離職理由の大きな割合を占めていることがわかります。

つらい状況のまま働き続けると、やりがいがなくなってしまうことも。

この記事では、仕事にやりがいが持てない理由と、その対処法をお伝えします。

笑顔の女性看護師

この記事は看護師ライターが書いたものです!ライターのプロフィールは、ページの一番下をご覧くださいね。

目次

仕事のやりがいとは?

やりがいといっても、実際にどんなものなのかイメージしづらいかもしれません。仕事のやりがいとは、どのようなものなのでしょうか。

人の価値観によって異なるもの

やりがいとは、何かをする時に価値を感じたり気持ちにハリが出たりすることです。

ただしどこにやりがいを感じるかは、人それぞれ違います。

誰かにとっては価値がなくても、自分にとっては価値を感じられること、それがあなたにとっての仕事のやりがいといえます。

看護師が感じる仕事のやりがい

看護師として働く中で、やりがいを感じる場面はどれくらいありますか?

例をあげてみると、人の役に立てる、「ありがとう」と言ってもらえる、成長できる、給料がいい、などさまざまなケースが考えられます。

他にも、救命救急センターで1分1秒を争う危機の中で患者さんの命を救えた、産婦人科病棟で新しい生命の誕生に立ち会えた、精神科病棟の患者さんが徐々に心を開いてくれた、など具体的な場面にやりがいを感じる人もいるかもしれません。

看護師だからこそ経験できることに、強くやりがいを感じる人も多いのではないでしょうか。

仕事にやりがいは必要なの?

仕事にやりがいが持てるのは素晴らしいこと。だからといって、仕事にやりがいは必要なのでしょうか。

やりがいがあれば仕事が充実する

やりがいがあることに関わることができれば、仕事自体が充実します。

私は長く内視鏡に携わってきたのですが、自分の介助で検査が無事終了し「ありがとう。おかげさまでとても楽だったわ。来年もお願いできないかしら」と言ってもらえた時、とても嬉しく自分の存在価値を感じたものです。

それが私にとってのやりがいであり、充実感を得られることでした。

やりがいを感じていれば、次も頑張ろう、次はこうしてみようなど、仕事の充実につながります。

人間関係の好循環につながる

やりがいを感じて生き生きと仕事をしていると、自然と表情がよくなっていきます。笑顔が増え、声のトーンも明るくなりますよね。

職場の同僚や患者さんからも、良い印象を持ってもらえるかもしれません。

受け答えの良さや相談しやすい雰囲気は、良好な人間関係を築くために大切なこと。

自分自身も仕事がしやすくなると、職場での居心地もよくなるでしょう。

やりがいを持つことで、人間関係の好循環につながると考えられます。

どこにやりがいを感じるか知っておくことが大切

あなたが仕事のどんなことにやりがいを感じるか、しっかりと把握しておくことは大切です。

私の失敗談として、給料アップを優先し転職した結果、新しい職場の同僚との関係に疲弊し仕事から離れることになった苦い経験があります。

あとになって振り返ると「職場環境は良好だから給料は妥協する」と割り切った方がよかったと思うこともありました。

どこにやりがいを感じるか自分でわかっていれば、職場選びの時に悩まずにすむかもしれません。

やりがいがないと何が問題なの?

もし仕事のどんなことにもやりがいを感じない場合、何が起こるのか考えていきましょう。

仕事に集中できずミスにつながる

仕事内容、給料、人間関係など、どんなことにもやりがいを見つけられないと、仕事へのやる気を失ってしまう可能性があります。

「つまらないなぁ。早く帰りたい」という気持ちで仕事をしていては、良い仕事の流れはつくれません。結果として注意力が散漫になり、ミスにつながってしまうことも。

命を預かる看護師の仕事では、ささいなミスが患者さんに大きな影響をおよぼすことがあります。

職場の雰囲気に悪影響を与える

仕事に対する熱意や向上心がなくなると、勉強やスキルアップに関心がなくなります。

看護業務全体が雑になり、専門職としての自覚や誇りを持てなくなってしまうことも。

仕事に対する思いというのは、周囲に伝わりやすいものです。

特にやる気のない雰囲気が伝わると、周りのスタッフのモチベーションを下げてしまうかもしれません。

職場全体の雰囲気は患者さんにも伝わり、マイナスの印象を与えてしまうことだってあります。

やりがいを感じていない状態は、職場の雰囲気を悪くさせてしまう原因になります。

精神的にも身体的にもつらくなる

やりがいがないためにミスが増えたり人間関係が悪くなったりすると、ネガティブな感情が多くなり精神的につらくなってしまうことがあります。

精神的な不調は身体にも影響をおよぼすため、健康を害してしまうかもしれません。

プライベートにも影響する

精神的、身体的につらい状況が続くと、プライベートにも影響が出てきます。

遊んでいる時にも仕事のことを考えてゆううつになったり、せっかく旅行に来ているのに楽しめなかったりすると、せっかくの休日が台無しになってしまうことも。

私は以前、家族に仕事の愚痴を何度もこぼして雰囲気を悪くさせてしまったという苦い経験をしました。

仕事とプライベートは混同せず、休日くらい気持ちよく過ごしたいものですね。

看護師が仕事にやりがいを持てない理由

どうしても仕事にやりがいが持てない場合、どんな理由が考えられるのでしょうか?

仕事がハードすぎる

仕事の忙しさや責任の重さは、モチベーションにつながることもあれば、やりがいが持てなくなる原因になることも。

仕事の負担があまりに大きいと、休日は疲れた身体と心を休ませ、たまった家事を片づけるだけ。

そのような状況ではだんだんとモチベーションが下がっていき、いずれやりがいを見失ってしまいます。

業務内容と給料が割にあわない

いくら好きな仕事でも、業務内容と給料が見合っていないと感じていると意欲は下がってしまうもの。

経験年数が増えるにつれて、多くの仕事をまかされて責任も重くなっていきます。

もちろんそれは成長の証しであり、やりがいにつながることもあるでしょう。

ただし「業務内容の割に給料が上がっていかない」と感じてしまう場合、仕事へのやりがいがなくなってしまうかもしれません。

仕事内容に魅力を感じない

そもそも仕事自体に魅力を感じていない場合は、やりがいを感じられなくても無理はありません。

やりがいを感じる場面は人それぞれで、手術室や救命センターでの緊迫した状況に手応えを感じる人もいれば、高齢者施設等でじっくりと利用者さんに関わることに価値を見いだす人もいます。

私の知人は、健診センターから訪問入浴の仕事に転職しました。利用者さんのお手伝いをして、気持ちよくお湯につかる姿に「これまでにないやりがいを感じる」と話していました。

今の仕事にやりがいを感じていなくても、違う職場では生き生きと働けるかもしれません。

人間関係の悩みがある

どんな職場でも人間関係の悩みはつきもの。

人間関係でトラブルがあると、モチベーションが保てなくなることがあります。

私は転職先の同僚や上司との関係に悩み、結果として体調を崩し職場を去ることになりました。

人間関係の悩みは、仕事へのやりがいを見失う原因になります。

目標が見つからない

新人のうちは業務を覚えるのに精一杯ですが、中堅となると次のステージでの目標が必要になってきます。

ただ目標というのは、簡単には見つけられないもの。

自分の将来像が思い描けずなんとなく業務をこなしているだけでは、やがて何のために仕事をしているのかわからなくなるかもしれません。

そのような状況では、仕事にやりがいを見つけることは難しいでしょう。

看護師がやりがいを持って働く方法

ここまでは仕事にやりがいが持てない理由や問題を、くわしく説明してきました。ここからはやりがいを持って働くための、具体的な方法をお伝えします。

仕事の中に楽しみを見つける

業務や人間関係の中に楽しみをみつけることで、やりがいを感じられることも。

例えば看護業務の中で好きな役割や得意な作業を見つけたり、患者さんと共通する話題を探してみたり、意識していると意外なところに楽しみが見つかるかもしれません。

看護実践を通してうまくいったことや、成功体験を積み重ねて自信につなげていくことも、専門職としての楽しみといえるでしょう。

仕事の中で目標を立てる

仕事に関することで、何か目標を立ててみましょう。

何かにチャレンジすることは、仕事へのモチベーションにつながりやすいもの。

目標の立て方として、長期目標と短期目標に分けてみるのも1つの手。

例えば長期目標を「患者さんに安心感を与えられるために知識や技術を身につけ、適切な判断ができるようになる」とします。その長期目標を達成するために「急変の場面であわてずに対処できる」という、具体的な短期目標があがってきます。

目標に向かってコツコツ取り組んでいけば、仕事に対するやりがいにつながっていくでしょう。

プライベートを充実させる

プライベートで楽しみを見つけ、仕事へのモチベーションにつなげるという方法もあります。

未経験のスポーツに挑戦する、ボランティアをしてみるなど、新しいことへのチャレンジには今までと違う出会いや発見があるのでオススメです。

私は気分転換のためにランニングを始めたところ、ホノルルマラソンに挑戦するという新たな目標を持つことができました。練習時間を確保したい気持ちから仕事に打ち込めましたし、毎日充実感がありました。

きっかけは何であれ、プライベートが充実すれば仕事へのやりがいにもつながっていくかもしれません。

やりがいが持てないなら働き方を変えてみる

どうしても仕事にやりがいが持てないという場合、働き方そのものを変えてみるという選択肢もあります。

部署を異動したり転職したりすれば、新しい職場でやりがいを見つけられるかもしれません。

看護師経験と得意なことを組み合わせて、特定の組織に所属せずにフリーランスとして活躍する人もいます。

今の仕事にやりがいが持てないなら、新しい職場や働き方を探してみるのもオススメです。

まとめ

仕事を続けるために、やりがいは大切です。

24時間のうち仕事に費やす時間は、起きている時間の半分近く、人によっては半分以上。

私たちの時間をこれほど多く占めるからこそ、仕事にはやりがいを持って有意義なものにしたいですよね。

看護師経験を活かせる場所は、病院や施設だけではありません。まずは自分のやりたいことや、大切にしたいことを整理してみましょう。

やりがいのある仕事は、人生そのものを輝かせてくれるはずです。新しい一歩を踏み出して、素敵な人生を送っていきましょう。

 

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この記事を書いた人

看護師歴25年。埼玉県出身。看護師ライター。市立総合病院・クリニック・高齢者施設・派遣看護師・イベントナース等経験。幼少の頃から植物が大好きで、独学でバラの交配を行いオリジナルのバラを産出した。ハーブやガーデニングに癒やされた自らの経験をもとに、自然療法・予防医学の重要性を伝える事業を準備中。
ハーブコーディネーター資格取得。

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