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自分にしかできない看護をさがそう!~ナースの助っ人、看護理論とは~

「看護師としてベテランになり、業務もサクサクこなせるけど、これから何を目指していけばよいか漠然と悩んでいる。」「何か資格を取ろうと思うけど、これだと思うものがない。」

そんな迷えるナースにオススメなのが、看護理論を使ってあなたの看護を“深化”させることです。これから看護理論を活用した看護や、仕事のモチベーションをアップする方法をご紹介します。

目次

患者指導は傾聴だけでは足りない

看護の仕事には指導がつきものです。

糖尿病看護では、教育入院やインスリン導入や食事指導など自己管理に必要な指導を行います。筆者は糖尿病内科病棟に勤務していた頃、気むずかしい患者さんの対応ができる、と医師や同僚から信頼していただいていました。患者さんも他の人には話さない胸の内を話してくださっていたので、信頼も得られていたと思います。

私の患者理解を同僚に伝えると「〇〇さんがそのように考えていたなんて知らなかった」と驚かれることがしばしばありました。看護師は患者さんの代弁者であると言われますが、まさにその役目を果たせたのです。

それは聞き上手だったからでしょうか?いいえそれだけではありません。理論をとおして患者さんの理解を深めていたからです。指導についても理論を活用し「自分にしかできない看護」をつくりあげていきました。

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看護理論で患者の心理・行動予測ができるように

私が患者理解を深めるために役立てていたのが「行動変容ステージ理論」です。この理論は、患者さんが自己管理という新しい習慣を身に付けるまでの過程をあらわしたものです。

理論を活用することで、患者さんが今どのステージにいて、この先どのように進んでいくのか、起こりえる問題は何か、やる気を失いやすいポイントは何かなど、あらゆる段階を予測し見通しを立てることができました。

自己管理指導が始まったばかりの患者さんが、看護師の指導を全然聞いてくれなかったら、ショックを受けたり自信をなくしたりすることが多いかと思います。これは指導が悪いせいだとは言い切れないのです。

指導が始まったばかりの患者さんの行動変容ステージは「無関心期」であり、糖尿病を“自分のこと”と捉えられていない可能性があります。

いきなり「あなたは糖尿病なので今日から食事療法が必要です」と言われても、すぐに受け入れることはできないものです。看護師の指導をうわの空で聞いていたことも納得できますね。

「無関心期」の患者さんに自己管理の関心をもって頂くためには、感情的経験が効果的とされています。ひととおり説明した後に「自己管理ができるようになって血糖値が下がったらどのような気持ちになると思いますか?」「糖尿病と診断されてどのような気持ちでしたか?」と質問してみます。

よい質問を投げかけると患者さんは率直に思いを語ってくれるようになります。

じっくり傾聴すると患者さんの理解が深まり、信頼関係も生まれます。このような流れができると患者さんとともに解決策を見つけ出すことができるようになるのです。

看護師としての自信につながる

理論を活用することで指導方法の引き出しが増え、教育困難と言われる患者さんを任せていただけるようになりました。すると業務をこなせることによる達成感とは別の充実感を感じられるようになりました。

気むずかしいと言われていた患者さんが、ポツリポツリとご自身のことを話し笑顔を見せてくださった時や、「よし、自己管理やってみよう」とやる気になってくださった時、気分は最高です。看護師になってよかったと心から思える瞬間です。

看護理論を学ぶ前までは患者さんの言動に一喜一憂することが多かったのですが、学んだことで余裕をもって関わり方を考えられるようになりました。看護師としての自信にもつながりました。

人生経験とともに深みが出る看護理論

看護理論は難しいとよく言われます。ひとつひとつの用語が難しく、一読しただけでは意味がわからないことも少なくありません。

まずは気になる理論を見つけたら理論書を手に入れて読んでみてください。はじめはパラパラとめくり、気になる部分や目に留まった図や表を読んでみるだけで、完全に理解しようとか完読しようと思わなくてもいいのです。

理論書は、自分自身の経験や自分の家族との関わりに置き換えて読んでみることをオススメします。書かれていることの意味をあれこれ想像してみましょう。

私は看護理論を自己啓発のために読むこともあります。日常での困ったことや悩み解決のヒントが得られ、生活で役立った理論は、スムーズに患者さんの看護にも活用することができます。

看護理論は、自分自身が人生経験を重ねるほど理解できるという不思議なところがあります。「いつかわかる日がくる」というゆったりとした気持ちでいることがとても大切です。

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まとめ


看護理論を学んでも、すぐに答えが出ずモヤモヤすることがあるかもしれません。看護という行為は、患者さんと一緒に「正解のない世界の方向性を見出すこと」です。少しずつ活用していくことで今までとは違った結果が見えてくるでしょう。

あなたにも「自分にしかできない看護」があるはずです。看護理論は仕事が今以上におもしろくなる強力な助っ人となるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

看護師・保健師。糖尿病内科、血液透析室、特定保健指導を経験。現在は看護非常勤講師を務めるかたわら、ライターとして活動中。日々の生活に欠かせないものはヨガ。

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