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口腔ジェルの効果と使い方:高齢者の口腔保湿や口臭におすすめの商品を紹介

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高齢者は、加齢に伴い身体の水分量が減少し、乾燥しやすくなります。また、口腔内も同様に唾液分泌が減少するなどにより乾燥しやすくなります。乾燥した口腔は、汚染されやすく細菌が繁殖しやすいため、口臭や誤嚥性肺炎の原因になり得ます。このような口腔内乾燥の課題には口腔保湿剤の使用が効果的です。効果的な口腔保湿ジェルの使い方とオススメ商品紹介と、加齢に伴う口腔機能の変化についてお伝えします。

目次

1.口腔保湿ジェルの基礎知識

まずはじめに口腔ジェルの保湿効果と保湿の仕組み、口臭予防効果についてまとめます。

口腔保湿ジェルとは

口腔保湿ジェルは、口腔内乾燥を予防するための製品です。加齢に伴い唾液分泌は減少し、口腔内は乾燥しやすくなります。話しにくくなり、食べにくくなり、汚れは溜まりやすくなり、細菌の温床となります。口腔乾燥からオーラルフレイルが始まると言っても過言ではありません。口腔保湿ジェルを使用することにより、不足した唾液の代わりに口腔内を潤すことができます。

口腔保湿ジェルの種類と選び方

口腔保湿ジェルの主な成分は、ホエイタンパク(口腔内の粘膜保護)、グリセリン(乾燥予防)、ヒアルロン酸(保湿)・ヒドロキシエチルセルロース(粘度調節)チモール(口臭予防)などです。口腔保湿ジェルには多くの種類があり、その製品により成分もかなり異なります。

使いやすさや、本人の好みによって使い分けます。なかでも、口腔内粘膜に刺激を与えないためには、無添加・低刺激性のものがおすすめです。

いくつかの口腔保湿ジェルとその成分について以下にご紹介します。口腔保湿ジェルはドラッグストアや大きな病院の売店、介護ショップなどで販売されています。Amazonや楽天など、インターネット通販を使用すると、種類も豊富です。

オーラルプラス口腔保湿ジェルうるおいキープ

成分:水・グリセリン・マルチトール・チャ葉エキスキシリトール・カンテン・セルロースガム(増粘剤)・トレハロース・ヒアルロン酸Na・グルコシルセラミド・αーグルカン・クエン酸・クエン酸Na・カプリル酸グリセリル・ミリスチン酸ポリグリセリル‐2・ミリスチン酸ポリグリセリル-10・安息香酸Na・ソルビン酸K

バイオティーンオーラルバランスジェル

成分:水・グリセリン・ソルビトール・キシリトール・カルボマー・ヒドロキシエチルセルロース・水酸化Na

ウエットキーピング

成分:水・グリセリン・ベタイン・キシリト―ル・ヒドロキチエチルセルロ―ス・ラクトフェリン・メリアアザジラクタ葉エキス・エタノ―ル・BG・リン酸2Na・リン酸Na・メチルパラベン・香料

お口を洗うジェル

成分:水・グリセリン・ヒドロキシエチルセルロース・ポリアクリル酸Na ・安息香酸Na・セチルピリジニウムクロリド・エン酸Na・クエン酸・サッカリンNa・PEG-60水添ヒマシ油・香料・ヒアルロン酸Na・チモール・銅クロロフィリンNa・黄203・青1

コンクールマウスジェル

成分:マルチトール・ソルビトール・アロエベラ液汁末・ラクトフェリン・デキストリン・マンニトール・ヒトオリゴペプチド-1・グリセリン・PG・ホエイタンパク・カルボマー・ポリアクリル酸Na・キシリトール・グリチルリチン酸アンモニウム

2.口腔保湿ジェルの使い方

口腔保湿ジェルの効果的な使用方法

口腔保湿ジェルは3つの使用方法があります。

①口腔内乾燥時の保湿

絶食中や脱水時の強い乾燥時や、夜間睡眠中の乾燥予防に対しイブニングケアの一環として使用します。手袋を装着した指先や、スポンジブラシなどにつけて、口腔内に満遍なく塗り込みます。

②口腔ケア

口唇・舌・口蓋などにこびりついた苔状の汚染部を除去する際に使用します。口唇苔や口蓋苔などを無理矢理剥がそうとすると出血させる危険があります。そこで、水を含ませて軽く切ったモアブラシに口腔ジェルを塗り込み、口腔内をマッサージします。乾燥が強い場合は、苔が付着している部分に直接塗り込みます。口腔内マッサージにより唾液分泌を促すことで、口腔内が浸潤し苔が浮き出し剥がれやすくなります。このような状態では、口からは直接見えない咽頭奥も同じような状態であることが推側されます。

さらに浸潤を促すことで、貯痰音が出現することがあります。咳嗽反射が出現すれば、モアブラシを使って拭い取ることができます。

詳しくは「モアブラシとスポンジブラシの違いは?使い方・特徴と購入方法も紹介」をご参照ください。

③口腔リハビリ

指やモアブラシに口腔保湿ジェルを塗ることで、口腔内のストレッチやマッサージ時の粘膜に対する摩擦を軽減します。

口腔保湿ジェルの使用頻度とタイミング

保湿のための口腔保湿ジェルの使用頻度は、対象者の口腔環境により異なります。食べる機会が全くない人なら、朝・昼・夕・眠全に口腔ケアを実施した後に使用します。しかし、安価な物ではありませんので、口腔保湿スプレーやマウスウオッシュなどを併用するのもお勧めです。

1日に、何回と規定するのではなく、その時々の口腔状態により使い分けられる様に、観察とアセスメントを行いましょう。筆者が勤務している特養に、ターミナル期の方で口呼吸の方がいらっしゃいました。看護師が勤務最終で口腔ケア後にしっかり口腔保湿ジェルを塗り、夜間の巡視時に介護士にスプレーを塗布してもらっていました。経口摂取ができなくなってからも、口腔汚染はほとんど無く、綺麗な口の状態で最期を迎えられました

3. 高齢者の口腔の健康を守ろう

老化にともなう口腔の変化

①歯の変化 

歯周病や歯肉が痩せることにより、齲歯になりやすくなります。歯も脆くなるため折れる、抜け落ちるなどにより残存歯牙が減少します。

②口腔周囲筋の変化

頬や口の周りの筋肉が硬くなり、咀嚼力が低下します。
口唇も萎縮と弾力性の低下を起こし、開口しにくくなります。そのため義歯の出し入れが困難になることがあります。
口腔周囲筋は表情を作る筋肉でもあるため、表情が出にくくなります。

③唾液分泌の減少

唾液腺が萎縮し唾液の分泌が低下し、ドライマウスの原因となります。

④味覚の変化

味蕾の萎縮、口腔内乾燥、多様な薬の服用などにより味覚が変化します。

⑤発語・嚥下機能の低下

口腔周囲筋の低下や口腔内環境の変化により、発語や嚥下機能の低下をもたらしオーラルフレイルを引き起こします。人とのコミュニケーションや食べることが難しくなると、フレイルになることは周知の通りです。

ドライマウス

近年食生活の影響などによりドライマウスは増加傾向にあります。2022年時点で約800万人、予備軍は約3000万人と推定されるとの報告もあります。高齢者に限られた問題では無く、現代病と認識されています。糖尿病・腎躁疾患・ストレス・薬剤の副作用・シェーグレン症候群などで発症することもあります。

唾液の作用

①粘膜保護作用・自浄作用・抗菌作用

唾液が減ることで、口腔は乾燥し汚れが溜まりやすくなることは先にお伝えしたとおりです。粘膜は傷つきやすくなり、口臭の原因となり、口内炎や、齲歯・歯周病が増えます。
ウイルスや細菌感染に対する生体防御機能も低下するため感染症を引き起こしやすくなることは言うまでもありません。

②食べることを助ける

唾液には咀嚼を助ける、舌に味覚を届ける、消化を促す、食塊をまとめスムーズな嚥下を助けるなどの機能があります。また義歯を使用している人にとっては、義歯を粘膜に吸着させる安定剤の働きもあります。ドライマウスでは、食べ物の味か感じにくくなり、上手く噛めず、嚥下困難を引き起こすため誤嚥しやすくなります。そのため食欲は低下し、ますます食べにくくなります。

③発声・会話を助ける

口腔内が乾燥しパサパサな状態では声がかすれ、口や舌は滑らかに動かず上手く話すことができません

まとめ

口腔乾燥を予防するための口腔保湿ジェルについて、加齢に伴う口腔の変化からドライマウスの影響を含めお伝えしてきました。ドライマウスはオーラルフレイルの主たる原因であり、ドライマウスを制するものはフレイルを制すると言えます。口腔乾燥予防の観点からから生活の質を守りましょう。

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この記事を書いた人

看護師暦30+α年。NICD学会認定看護師。病院・重度身体障害者施設・訪問看護ステーションなどを経験。フリー看護師。CANNUS新長田。クリニックでのパート勤務や介護学校講師、ライターなどで活動中。「紙屋克子氏のナーシングバイオメカニクスに基づく生活支援技術・黒岩メソッド(口腔ケア)を世に広めたい!」

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