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病院公認YouTuber!? 広報を担う看護師の新しい働き方

皆さんは就職活動の時にどんな情報を見ていますか?
求人総合サイト、病院のホームページやパンフレット、友人の口コミ、最近ではS N Sを活用している人もいるかもしれません。
給与などの条件面も大切ですが、やっぱり自分に合う職場の雰囲気か自分が馴染める職場なのかが気になります。
「2022年 病院看護実態調査」では新卒看護職員の離職率が増加。ここ10年間看護師の離職率は10%台と横ばい※1です。7割の看護師が10年以内に初めに就職した病院を退職し、その後平均4年未満で転職を繰り返えしているというデータ※2もあります。入職して「こんなはずじゃなかった……」という情報は入職前にできるだけ知っておきたいものです。

目次

ミスマッチを減らすリアル情報を発信

埼玉県は狭山市にある埼玉石心会病院では、実際に病棟で働く看護師(4年目スタッフ)が広報活動を積極的に行っています。きっかけは看護部や働くスタッフの様子を伝え、病院や看護職に興味を持ってもらおうと考えたことに始まります。

2022年秋頃より始めた公式S N S。病院より広報担当を任された都築さん、黒田さんの2名でInstagramの投稿、YouTubeチャンネルの出演、webサイト、パンフレットなどの写真モデルを行っています。今回、お二人に広報活動(PR)を担う看護師として、これからの新しい働き方(PRナース)について魅力を伺いました。

整形外科病棟に勤務する都築瑠美さん(4年目)

腎臓内科・泌尿器科病棟に勤務する黒田夏鈴さん(4年目)

ありのままで楽しく。看護部や働く看護師の現状を伝えたい

―看護管理室に呼ばれてInstagramの発信をやって欲しいと急にお願いされたそうですが、その時はどう感じましたか?

都築)初めは病院がSNSで広報活動することに驚きました。私は普段投稿をしていません。それが、病院や看護部の顔のような立場となって投稿することで、間違った発信をしてしまったらどうしようという不安がありました。

黒田)最初は気軽に投稿できませんでしたが、広報担当の方がいてくれることで自分たちだけではなくて投稿内容を確認してくれる人がいる安心感があります。「自由に」「楽しく」やって良いと言ってもらったことで、楽しくできるようになりました。

―活動時間はどのようにしているのですか?

黒田)基本的に広報活動は、師長さんが組んでくれたシフトの勤務時間内となっており、当日は、「広報だから行っておいで」と言ってもらえます。途中抜けることで病棟のスタッフに申し訳なさも少しあります。しかし、以前よりInstagramやYouTubeの内容を見て活動を理解してくれる人が増えたので、より安心してできるようになりました。

都築)周りもこの活動のことを知ってくれているので、「今日、広報なんでしょ、写真撮るの?行っておいでよー」という感じに先輩にイジられています(笑)。

―実際に働いている看護師だからこそ、発信できることは何でしょうか。本当に楽しそうな職場の雰囲気が伝わってきます。

都築)飾らず、私たちの日常を届けるようにしています。動画撮影時には、広報の方が台本のようなものを作ってくれるのですが、申し訳ないけど、毎回、アドリブで行っています。私は普段通り、楽しく話すようにして、YouTubeに出てくれる看護師が緊張しない雰囲気作りをしています。画面に出ているキャラが本当の自分たちのキャラなので、「私たちの日常をお届け」という感じです。

黒田)包み隠さず、ありのままでやっています。逆にそうでないとできないと思っています。また、ホームページに出ている情報だけでは分からないところも伝えるようにしています。

都築)私たちは同期ながら、コロナ禍の入職で対面する機会も減った影響もあり、あまり関わりがなかったのですが、この広報の活動で仲良くなりました。私は黒田さんがパートナーだったから、自分で自分らしくできていると思っています

黒田)私も全く一緒です(笑)。

都築)先日、インターンシップに来てくれた方にSNSでの「飾らない」「楽しそう」な雰囲気が伝わったと言ってもらいました。それって、院内で働いている看護師でないと現場の楽しさや状況を伝えられないと思います。病院の良いところだけではなく、忙しさや給料のことなど、リアルな話も隠さず伝えたいです。私が転職するとしたら、良いところばかりの内容だと疑ってしまいますので、こういうマイナス面もあるけれど、こういうプラス面でカバーできているという方がリアルだなと思います。YouTubeに出てくれる看護師に踏み込んだ質問も聞いて、リアルを届けたいです。

広報活動が看護の仕事のモチベーションに

―広報活動を始める前と現在で心境の変化はありますか。

黒田)最近は、他の看護師が私に広報のアイディアを気軽に伝えてくれます。広報活動が病院に浸透してきたと感じます。インターネット、SNSは誰でも見ることができるので、発信者としてマナーを守り、正確な情報に基づく内容を投稿するなど基本的なことは意識して仕事をするようになりました。看護師として、自分の目指す姿であるためにも仕事への意識が強くなりました。

都築)医師がSNSアカウントをフォローしてくれたり、声をかけてくれたりするようになりました。入院してきた患者さんに「見ているよ」と言われることもあり、身が引き締まる思いです。院内の情報を発信するため、患者さんが写真や動画に収まる際には、説明をしたうえで、個人が特定できないように加工するなど、個人情報の取り扱いをより、気にかけるようになりました。

―広報活動が自分の看護にプラスになったことはありますか。

黒田)人とのコミュニケーションや楽しさを伝える力が習得できて、患者さんの接し方に結びついていることが多いです。広報活動で行っていることが病棟のスタッフや患者さんとの関わりのモチベーションになっています。さらに、その時の病棟の雰囲気に、自分の気持ちが左右されなくなりました。広報で明るい活動をしていて、良かったと思います。

都築)SNSをご覧になった患者さんやインターンシップの方の声を聞くようになり、やりがいを感じます。見てくれる人がいると思うと楽しくできます。

―これから挑戦したいことはありますか?

黒田)他のスタッフにも声をかけ、広報活動に実際に参加してもらって、それを動画に出したいです。色々な人が出ると誰かに届くことが多くなるのではないかなと思っています。

都築)院内で働いているからこその魅力や見ている人が興味を持ってくれるようなことを今後も発信したいです。あと、「楽しい」という気持ちを変わらず発信したいです。今、病棟看護師の意見を看護部に繋げられる環境にいるので架け橋になりたいです。例えば、産休明けで復帰される方の環境調整に携われたらいいなと思います。他のスタッフが思っていることを看護部に伝えて、病院内からより良い環境を作っていきたいです。

まとめ:PRナースとして看護師の新しい働き方

看護師が行う広報活動は、今まである看護部の委員会活動に近いように思います。PRナースとして病院の顔として病院の良さを多くの人に届けること、一緒に働いている仲間に楽しさや職場の良さを伝える手段として、とても貴重なお仕事です。S N Sを通してありのままを伝えることができ、興味を持ってもらい、一緒に楽しく働いてくれる仲間が増えることは必ず現場の活気にも繋がっています。

Instagram『埼玉石心会病院 看護部』

https://www.instagram.com/saitama_sekishinkai_nurse/

YouTube『石心会グループ 医療職紹介チャンネル』

https://youtube.com/@user-ey1py6oy6f

『社会医療法人財団 石心会 埼玉石心会病院看護部』

https://saitama-sekishinkai-nurse.jp

※1公益社団法人 日本看護協会 広報部 2023 年 3 月 31 日プレスリリース
https://www.nurse.or.jp/home/assets/20230301_nl04.pdf

※2出典:平成30年度 厚生労働科学特別研究事業 「看護職員確保対策に向けた看護職及び医療機関等の実態調査」(研究代表者:武村雪絵)
https://www.mhlw.go.jp/content/10805000/000554603.pdf

(ライター:仲村彩)

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この記事を書いた人

メディアを運営しているナースライフバランス研究室です。「働き方を変えたい」「何かにチャレンジしてみたい」そんなあなたの新たな一歩を応援していきます。

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