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もっと訪問看護!利用者獲得のコツ教えます

訪問看護ステーションは、営業なくして経営は成り立ちません。地域から必要とされるステーションを目指し、私が日ごろから実践している営業のコツを紹介します
勤務先のステーションは相談も含めて新規依頼が毎月10件近く寄せられています。ちなみに私訪問看護師経験3年目、管理者3年目です。

目次

事例で解説、営業相手別アプローチ

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訪問看護ステーションの経営を安定させるために営業活動は必要です。ただ、日ごろの訪問業務をしながらの営業活動は、看護師には負担が大きいです。そこで訪問と訪問の間にサラッとできる営業のコツを相手先ごとに説明します。この営業方法は、ステ―ションの認知度がある程度できているケ―スで有効です。立ち上げたばかりのステーションでは、名前を覚えてもらう必要があります。訪問件数が少ない時に、地道に営業活動をして下さい。

①居宅サービスに関わるケアマネージャー

ステーションからの依頼のほとんどが、居宅介護支援事業のケアマネージャー(以下ケアマネ)からです。そのため、ケアマネとの日ごろからの信頼関係作りは重要です。

利用者の細かな変化の報告はもちろん、報告した内容の改善策の提案まで行うよう心がけています。 例えば仙骨に褥瘡ができた場合、原因を探ります。座り方に問題があれば、応急的な対応をして福祉用具の提案をします。ちょっとした事故でも、のちにトラブルになる恐れがあるため、報告は欠かしません。
他にも、爪切りで皮膚を少し切ってしまった際は、応急処置をして主治医に報告します。その内容や利用者の反応も含めて報告します。名刺交換した際は必ず、ケアマネになる前の職歴をさりげなく尋ねるようにしています。福祉分野からケアアマネになった場合、全員ではないのですが新しい治療方法など医療的なケアが苦手な方もいます。特に看取りなどの医療の優先度が高い場合は、看護師が主治医と連携をとりながらケアマネに提案や状況報告をしています。

ケアマネとの連携でうまくいった1例を挙げてみます。100歳を過ぎた利用者の看取りの事例です。少しずつ食欲がなくなり、眠っている時間が増えてきて、そろそろお迎えが来るのではといわれる時期から3ヶ月経ちました。3ヶ月も経つと少し緊張が緩んできます。そうした中でケアをしていると、この2、3日が山場だなと感じる症状が出てきました。ケアマネには、「私が感じていることですが、あと2、3日ぐらいしかもたない気がします」と伝えました。するとケアマネはすぐに利用者に会いにいき、面会した翌日に亡くなられたと報告を受けました。この時は、ケアマネに大変感謝されました。信頼も高まり、今では定期的に依頼が来ます。ケアマネに対しては、利用者の状態の変化がどこからきているのかを共有しています。また必要に応じて主治医と話をしたことを伝えるなどの医療分野をフォローしながら利用者の居宅生活を支援していく姿勢が重要だと学びました。

②地域包括支援センター

基本的に居宅のケアマネと同じように対応しています。利用者が要支援1、2の方が対象なので、少しでも自立ができるよう意識した働きかけを行い、センターへ伝えるようにしています。

③総合病院の地域医療連携室

依頼のほとんどが、利用者の退院時寄せられます。連携室のスタッフとの顔合わせは、利用者の退院前のカンファレンスです。その際、名刺交換を行いながら顔見知りになります。訪問看護には、訪問看護指示書という書類を主治医に記載してもらう必要があります。退院後に連携室のスタッフと関わる事の大半は、指示書の依頼がほとんどです。私は、退院された後の利用者の在宅での状況や主治医への相談も依頼しています。また、連携室のスタッフが以前、担当していた利用者がいる場合はその方の報告もしています。どこのステーションもしていることだと思いますが、再入院したら、訪問時のサマリーを当日中にFAXするようにしています。

④開業医

病院の診療時間内は、会ってもらえないことがほとんどです。利用者の主治医なら応じてもらえることもありますが、そうでない場合はどうしたら良いのかを考えます。私の場合は、気になる患者さんがいらしたらいつでも相談して下さいという趣旨の一言を一筆箋に書き、パンフレットとセットにして医師に渡して欲しいと医事課のスタッフにお願いしています。パンフレットには、ステーションで対応できるケアの内容や訪問範囲を載せています。また、ステーションの空き状況なども載せていると依頼が入りやすいです。

⑤訪問専門クリニック

ほとんどの時間、往診で医師やスタッフが不在なことが多く、一筆箋によるメッセージとパンフレットのポストインによるアプローチは開業医と変わりません。ステーションを知ってもらうのがメインなので、ちょっとしたお知らせなどをポストインしています。利用者が通院できなくなり在宅診療医が必要になってきたら、ケアマネにクリニックの特徴を伝えて利用の提案します。その際ケアマネには、ステーションの方からクリニックと連携したいと提案があったことを伝えてもらいます。また、なるべく往診に同行して情報の共有がスムーズにできるよう努めています。クリニックは利用者の状態が安定していたら、月1、2回ぐらいしか訪問しない所がほとんどです。医師が知らない情報を伝えたり、今後の方向性などもその場で共有できるのでとても喜ばれます。 また共有した情報は、ケアマネにも伝えるようにしています。

⑥その他

地域の行事や集まりに積極的に参加し、地域の方とも顔見知りになります。そうすると「いつも会っている看護師に来てほしい」との理由で、地域の方からケアマネージャーを通してステーションに依頼もあります。地域の方からよく聞かれるのが、どのようなスタッフが働いているのか又は訪問内容です。丁寧に答えていると依頼につながります。

利用者獲得の成否は日常業務にあり

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営業活動らしい営業はしていませんが、一つ一つのケースを丁寧に対応していくことで自然に信頼関係が築かれ、信頼が新たな利用者の獲得につながっていきます。そのためにも営業先がどのような情報が欲しいのか、訪問看護師にどのように動いてほしいのかを意識することが大切です。

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この記事を書いた人

1975年4月生まれ。国立の看護学校卒業後、看護師25年目。外科・内科・主任看護師経験あり。
老人看護は10年以上携わり、現在は訪問看護ステーションの管理者。スタッフのマネージメントや話し方や伝え方を勉強中。 [全ての営みに時がある]をモットーに、自分に対して無理せずに生きていきたいと考えています。

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