「どのくらいの経験があれば訪問看護で働けるの?」
「訪問看護に興味はあるけど、知識や技術がほとんどなくて自信がない」
など、訪問看護師として働きたいけど、一歩が踏み出せないという人に向けて。
病棟経験2年半で訪問看護に飛び込んだ私が、働く中で感じたことをお話しします。
病院での勤務経験がないと訪問看護で働けないのか
訪問看護師の求人情報を見ていると、看護師経験◯年以上と書かれているものを目にすることがあります。なかなか新卒看護師大歓迎という求人を目にすることは少ないのではないでしょうか。
では病院での経験がどのくらいあれば訪問看護師として働けるのか。私は2年半病棟勤務後、数年の高齢者施設勤務を経て訪問看護の世界へ飛び込みました。私が就職した訪問看護ステーションは病院母体の訪問看護ステーションでした。
求人情報に「◯年の看護師経験が必要」とは提示していませんでしたが、面接の際に、「少しブランクがあるので、技術面などで不安なことがあれば短期間病院に勤務してから訪問看護へ異動する方法もある」と提案されたことを記憶しています。私は家庭の事情で病棟での三交替勤務が難しかったので、病棟勤務はせずすぐに訪問看護で働き始めました。
では、2年半しか病棟経験のない私は訪問看護入職時からつまずいたのでしょうか。当時を振り返ってみても技術や知識面では特に大きな困り事はなかったように思います。ある程度の看護技術や知識はあった方が安心かもしれませんが、病院での勤務経験が少ないから訪問看護で働けないということはないと思います。
実際働いてみて感じた病院と訪問看護の大きな違い3つ
私が訪問看護に勤務して感じた病院と在宅の違いは3つあります。
1.同じ病院内で働くスタッフ以外との連携
まず、在宅の現場では同じ病院内で働くスタッフ以外との連携が多いように感じます。在宅ではケアマネジャーをはじめ、ヘルパーや理学療法士など他職種との連携は欠かせません。しかし、同じ病院内でないため顔を合わせる機会も少なく、年に数回開催されるサービス担当者会議でしか会わない職種もいます。当時、訪問看護初心者の私にとって顔の見えない相手との連携は難しく感じたのを覚えています。
2.オンコール対応
オンコールというのはいわゆる待機当番のことで、患者さんから緊急の連絡があれば対応することになります。医師から得ている指示のもとその場で対応する場合もあれば、在宅での対応範疇を超えるものは救急搬送する場合もあります。いずれにせよ、その場で迅速かつ的確に判断し対応しなければなりません。
病院であれば他のスタッフに応援を頼んだり、医師へ連絡したりと近くに医療スタッフがいるので安心ですが、在宅では多くの場合、1人で対応をしなければならないため不安なときもあります。
3.介護保険や医療保険システムの理解
病院勤務のときは患者さんが介護保険でサービスを利用しているのか、もしくは医療保険でサービスを利用しているかということを意識したことはなかったように思います。しかし在宅の現場では、どちらのサービスを利用しているかや介護保険の利用限度額の関係で他のサービスとの兼ね合いなども考慮しなくてはいけません。在宅の現場では介護保険や医療保険のシステム理解が欠かせないでしょう。
私が訪問看護で働き始めたときに感じたのは上記のようなことでした。
これらのことは働く中で少しずつ理解が進めば良いと思いますが、このような違いがあることを入職前に知っておくと仕事を覚える上でスムーズかもしれません。
経験が少なくても大丈夫!訪問看護師として働く方法とは
私は2年半の病棟、その後高齢者施設勤務を経て訪問看護に転職したので、少し臨床現場から離れていた時期がありました。ブランクを経ての転職だったので、面接では技術面の不安がないか聞かれ、もし技術面で不安があれば病棟で短期間働くことも可能だと提案されました。私の経験にもあるように、病院母体の訪問看護であれば看護師の経験が少なくても、母体病院の病棟にて技術面の不安をカバーすることが可能な場合もあります。病院勤務経験が少ないからといって訪問看護を諦める必要はありません。自分に合ったステーションを見つければ、経験が少なくとも訪問看護で働くことは可能だと思います。
まとめ:自分に合ったステーションをみつけて訪問看護で働くことができる
病棟経験がないから訪問看護はできないかもと諦める必要はありません。そもそも病院と在宅は業務内容が異なるため、病棟での経験があれば安心というものでもありません。知識や技術面で不安があってもフォローしてもらえるステーションもあります。自分に合ったステーションをみつけて、訪問看護で働いてみてください。