「訪問看護師として頑張りたい——」
そう目指した私に訪れた大きな課題は“不妊治療”。
そしてその課題を抱えながら訪問看護を目指し決断した単身赴任生活。
その二つが私のワークライフバランスを見直すきっかけとなりました。
今回は、看護師+αでフリーランスを目指している看護師のターニングポイントと体験談をにご紹介します
大切にしたい優先順位を知る
私が訪問看護師を目指すと決めたのは、重症心身障がい児や肢体不自由児を対象とした放課後等デイサービスの看護師として働いていた時です。
医療的ケアを必要とする子どもたちが家族と安心して暮らすには地域のサポート体制が十分とはいえず、療育センターや他医療機関、保健師や相談支援員など地域スタッフとの連携、協働が課題でした。
放課後等デイサービスでは限られた通所時間での関わりしかできず支援が行き届かないことに歯がゆさを感じ、子どもたちや家族へもっと地域全体での支援が出来ないかと悩んでいました。
そんな中、参加した研修で一人の訪問看護師と出会いました。
彼女は偶然にも私が受け持つ利用児の担当で、どのような支援をしているか詳しく教えてくれました。
訪問中は集中してその子に関わり、個別性に富んだケアを提供できる。住み慣れた家での生活を支えながら、その人らしさを大切にできる在宅ならではの魅力を教わりました。私がしたい看護は「これだ!」と稲妻が走ったような感覚を今でも鮮明に覚えています。
訪問看護師を目指すために情報収集を始めてすぐに、隣県の訪問看護ステーションの所長とご縁がありました。結婚3年目を迎えるも妊娠出来ず専門病院に通院を始めた頃でもあり、夫と離れた生活や経済面など心配事は尽きませんでした。
しかし、自分の人生に後悔をしたくない想いと、必ず訪問看護で成長し自分の家族のために還元するという目標の元、夫の反対を押し切り単身生活を始めました。
そこでは看護を精いっぱい楽しんでいるスタッフに囲まれ愛のある看護を学びました。ひたすら看護に没頭できとても充実した毎日。自分に不足しているスキルや人間力も強く鍛えていただいたかけがえのない時間となりました。
しかし仕事の合間を縫って行き来する生活をしていた矢先、子宮外妊娠が発覚。暫く休養を余儀なくされた私は夫の待つ自宅へ戻り、そこでようやく大事なことに気づきます。
それは自分のしたい仕事を追い求める余り、家庭を疎かにしていたこと。そして多くの心配をしながらも単身生活に飛び込んだ私を応援してくれていた夫の寛大さでした。
その気づきが私のターニングポイントとなりました。
今私が最も優先したいことは家庭を守ること。自分の描くビジョンとの両立を実現させるためにはどうすべきだろうか。
「どちらも諦めずに生きていきたい」そんな思いで、いろんなことに挑戦しようと活動を始めました。
夢の実現に+αは必要不可欠
現在は不妊治療に専念するため時短勤務で訪問看護師として働いています
自分の住む地域でもその人らしさを支える看護を実現できるよう学ぶ毎日です。
また、精神科病棟で勤務していたときに出会ったアロマテラピーも2020年にAEAJ認定アロマテラピーインストラクターを取得し、今後の活動に活かしていく予定です。
なかなか外出のできない医療的ケアを必要とする子どもたちやその家族、施設にいる高齢者の方、更には医療従事者にもアロマテラピーの癒しを届ける訪問アロマ事業での独立を目指しています。
そして不妊治療の合間に他にも何かできる仕事はないかと探していた時に看護師ライターという仕事に出会いました。実は私は幼少期から小説家になりたいと思っていました。看護師の経験を活かしたライター業は私にとってまさに理想の仕事です。
そこから私の夢も生まれました。それは訪問看護とアロマテラピーの魅力を発信できる看護師ライターになることです。
訪問看護とアロマテラピー、そして看護師ライター。
私の大切なものが詰まった夢の実現には全てが欠かせないものです。それぞれ時間を上手に活用して、家庭を最優先に出来る働き方を目指しています。
「大好きな看護+αで私らしく働きたい——」
キャリア形成の視点が変わったおかげで、目標へ到達するための学び方も洗練されたように感じます。今後の人生にどのような未来が待っているのか楽しみながら挑戦していきたいと思います。