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【訪問診療クリニック看護師】魅力は、医師と療養者・多職種との橋渡し〜みなとクリニック品川〜

「心身の自由がきかなくなっても、住み慣れた地で暮らし続けたい」は、多くの人の願いです。
地域で働く看護師と言えば一番に思い浮かぶのは訪問看護でしょうか?しかし、それ以外にも多くの場所で活躍する看護師がいます。訪問診療クリニックもそのひとつ。今回、訪問診療を中心に行なっている「みなとクリニック品川」の看護師田中乃理子さんに、仕事内容とその魅力について語って頂きました。

目次

訪問診療クリニック〜みなとクリニック品川〜で働くことになったきっかけを教えてください。

東京の大学病院付属専門学校を卒業後、そのまま大学病院に就職して30年間勤務しました。大学病院ではもう十分働いたので少しゆっくりしてもいいかな、と先のことは考えずに退職していた時、「訪問診療を立ち上げたいので一緒にやってみないか?」というお話しをいただきました。在宅領域での経験がなく不安でしたが、病院勤務最後の数年を退院支援に関わっていたので興味があり、「じゃあ、やってみよう」と働き始めて1年になります。退院調整のため在宅診療クリニックとも連携をしていましたし、今から思えば現在の仕事に向かう流れがあったのかも知れません。臨床ではほぼ全科を経験してきました。数多くの部署移動は大変でしたが、新生児から高齢者まで全ての成長過程に関わって来たことが、今私の大きな財産となっています。

訪問診療クリニックにおける看護とは

みなとクリニック品川は訪問診療中心のクリニックで、外来は週に1日だけです。常勤医師1名と看護師3名(うち常勤2名)が勤務しています。
訪問1件に要する時間は15~20分、訪問件数は1日に9~10件程度です。対象者は、60~80歳代が多く、90歳代も数名いらっしゃいます。介護度は主に要介護3以上の方です。疾患では脳血管障害や呼吸器疾患が多く、認知症や看取りなどにも対応しています。夜間は当直医師を外注しているので、オンコールや急な呼び出しはありません。

クリニックでの仕事は、朝のカンファレンスから始まります。全スタッフが集まり夜間対応の有無や内容についての報告を受け、当日の訪問予定を確認します。訪問診療の同行看護師は午前と午後で分担していて、クリニックに残った看護師は、相談業務や連携のための事務作業を行います
訪問診療は往診車を使用し、医師・看護師・運転手でひとつのチームです。移動中は車内が事務所となり、往診記録の作成・電話対応・急ぎの指示連絡などを行います。医師とは常に「療養者さんにとっての一番いい生活って何だろう」と、治療方針や生活支援の方法について話し合っているんですよ。訪問中の業務は、バイタルサインの測定や、医師の補助、医師と療養者さんやご家族との会話の補足など。クリニックに戻ってからは、処方箋や報告事項を書面で作成し各担当者にFAXする等の業務があります。

地域全体で療養者さんの暮らしを支えるための橋渡しをする

住み慣れた地域で、療養者さんとそのご家族が望む生活を実現するには、各サービス事業者との協働が必要です。そのためには各所と良好な関係が必須であり、気軽にコミュニケーションがとれるように「顔の見える関係作り」を積極的に行っています。

例えば、診療後は必ずケアマネジャーと訪問看護師らにレポートを提出するなど、積極的にクリニックから情報発信しています。特に医療的判断を迫られる事がある訪問看護には、疾患と病状に対する医師のアセスメントを丁寧に伝えることで、訪問看護師が安心して動けることができると考えています。よりスピーディに気軽に連携できるように、医師と訪問看護師らとの橋渡しをすることが、私たち診療クリニック看護師の重要な役割です。

また、クリニックの会議室を利用して地域のサービス事業者へのプチセミナーを実施しています。
院長自身が声をかけやすい雰囲気を作っていますが、どうしても医師に対しては遠慮しがちになりますよね。それでも繰り返し直接顔を合わせることで情報交換が盛んになり、投げかけに対する反応も早くなりました。MCS(MedicalCareStation)というソフトを活用したチャット機能を用いたこともあり、現在ではサービスにおける全体のフットワークがとても軽くなりました。タイムリーな報告により、各担当者が見つけた小さな点としての変化を繋いで線に繋げることができているのです。

MedicalCareStation|医療介護専用コミュニケーションツール
全国の医療介護現場で利用されているコミュニケーションツール、メディカルケアステーション(MCS)。医療介護従事者の多職種チーム連携をサポートし、患者・家族との連絡も安全に行えます。全国多数の医師会で導入され、病院、クリニック、薬局、介護施設などで利用されています

訪問診療クリニックで働く看護の魅力を教えてください

ご自宅に出向くと、その人のありのままの生活が見えますよね。患者さんは凄くリラックスされていて、病院で見せる顔と全く違うのです。話に聞いてはいましたが実際体験してみると新鮮な驚きでした。どんなお家で、どんな物を大切にされているのか、家族関係もより明確になるんですよね。

私たちが訪問すると「ああ、きてくれたの?」って笑顔で出迎えていただくことが多いのですが、その表情から安心されていることが伝わってくる。この仕事に就いて良かったと思える瞬間です。病院に通院しているときには、直ぐに浮腫が出て再三入院していた方が、訪問開始後入院しなくなり、連携先の先生方から「訪問してもらえて良かった」と評価を受けています。小さな体調変化にも気付けるため早期の対応が可能になり、せっかく退院した直後に肺炎で再入院するなどの症例も無くなりました。いい関わりができている結果だと思っています。もちろん良いことばかりではなく、ご家族と良好な関係が築きにくいこともあります。非協力的でネグレクトが疑われることも。そんな療養者さんには自宅で過ごすことが本当にベストなのか、と悩みます。そんな時は訪問できていることが先ずOKと考え、よりよい支援を考え続けています。

療養者さんが望む「よりよい暮らし」について、医師と療養者さんや家族、サービス担当者らと深く考察し協働していくことは、大変ですが面白くやりがいのある仕事です。訪問看護のように直接的な看護実践を行うことは少ないですが、医師と関係者のコミュニケーションにおいて私たち訪問診療クリニックの看護師による橋渡しは不可欠であり、そこに魅力を感じています。

在宅に興味があるなら訪問診療クリニックで働いてみませんか?

在宅看護には興味があるけれど、いきなり訪問看護はハードルが高いと感じている方に、訪問診療クリニックの看護師はオススメです。

医療的な判断は全て医師がしますし、その判断過程を間近で学ぶことができる。
訪問看護ステーションと連携するので、訪問看護師の看護実践にも触れることができます。
ケアマネジャーをはじめとするサービス担当者とも連携をとるので、人脈が広がります。

以上のことから在宅看護をトータル的に学ぶことができるのです。反対に訪問看護にちょっと疲れて、少し遠くから見つめ直したい方にもいいかもしれません。

みなとクリニック品川について

当クリニックは、夜間のオンコールや出動がありません。規則正しい働き方ができますので、ライフステージにあった働き方が可能です。在宅看護に興味がある方、ぜひ一緒に働いてみませんか?みなとクリニック品川は風通しの良い職場なので、人間関係におけるストレスもなく安心して働くことができますよ。ご連絡お待ちしています! 

みなとクリニック品川
東京都品川区大崎3-5-3 1F
TEL: 03-6670-2319

みなとクリニック品川
みなとクリニック品川求人サイト

まとめ:訪問診療クリニックの看護師におすすめしたいポイント

訪問診療クリニックの看護師はこんな人にオススメ!

  • 在宅看護に興味があるけどいきなり訪問看護は不安
  • 訪問看護、ちょっと疲れちゃったかも
  • 慢性期疾患・認知症をじっくり学びたい
  • 自宅での看取り支援がしたい
  • 多職種との調整が得意
  • 他者とじっくり関わることが好き
  • フットワークが軽い

(ライター:青木容子)

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この記事を書いた人

看護師暦30+α年。NICD学会認定看護師。病院・重度身体障害者施設・訪問看護ステーションなどを経験。フリー看護師。CANNUS新長田。クリニックでのパート勤務や介護学校講師、ライターなどで活動中。「紙屋克子氏のナーシングバイオメカニクスに基づく生活支援技術・黒岩メソッド(口腔ケア)を世に広めたい!」

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