2019年東京・新木場のクラブ「ageHa」のイベントでのメインフロア(筆者撮影)
看護師として働いているけれど、没頭できる趣味や特技を持っている。
できれば趣味や特技を生かして副業にしたいけれど、多忙な看護師業務と両立できるのか?悩みますよね。
筆者は看護師3年目からコロナが流行る前くらいまで約10年間、副業でDJとして都内のクラブで活動していました。DJを始めた当時は急性期の循環器病棟に勤務しており、「DJと看護師の両立」が課題でした。
この記事では「看護師DJ」という少し珍しい働き方をした筆者の経験を踏まえ、「看護師が本業と副業を両立するためのポイント」をお伝えしたいと思います。
気付けば趣味が副業に
新木場のクラブ「ageHa」でDJプレイ中の筆者
看護師は一般的に激務と言われることが多いですよね。当時私も急性期の病院で勤務していたため、残業や夜勤の回数も多く、とても忙しくしていました。そんな中、なぜ副業を始めたのかと思われる方もいるかもしれません。
私の場合は副業をしたくてDJを始めたわけではなく、趣味が高じて気が付けばDJになっていて、副業として多少の収入にはなっていたという状態でした。
激務であるからこそ、オフはしっかりストレスを発散しようと考えていた私は、当時よく渋谷や六本木のクラブに通っていました。そして、元々音楽が好きだったこともあり、次第にDJになりたいと思うようになりました。
思い立ったが吉日。ボーナスのほぼ全額をDJ機材に投資し、看護師寮にDJブースを設置。mixCD(デモテープのようなもの)を作って、よく行くクラブのDJさんに渡しました。その結果、後日CDを渡したDJさんから「クラブでDJをしてみない?」と声をかけていただき、私のDJ活動が始まりました。
看護師業務に支障はなかった?
DJを始めた頃はスケジュールの組み方やシフト希望で悩むことはありました。一方、体力面では、元々夜勤明けやお休みの日にクラブに通っていた時間がそのままDJとして活動する時間になったため、体調を崩すことなく両立できていたと思います。
とはいえ、疲れをためないようによく寝てリラックスする日も設けるように意識していました。
また、新卒から2年間は看護業務を覚えることや勉強にかなり集中していたため、結果3年目で趣味に時間を費やす心の余裕を持てたことも両立できた理由の一つです。
しかしDJのオファーが増えてくると、病院勤務との兼ね合いに限界を感じ始めたのも事実です。そのため4年間働いた病院を退職し、「応援ナース」としての働き方を選びました。委員会や勉強会、リーダー業務がない応援ナースを選んだことでDJ活動により多く時間を割けるようになり、「DJを頑張るからこそ看護師も頑張ろう」と思うようになったのです。
失敗してから考えればいい。とにかくまず行動!
筆者がDJで参加したイベントで盛り上がるフロアの様子
DJを始めたばかりの頃は上手くフロアを盛り上げられなかったり、お客さんが思った以上にきてくれなかったり、様々な失敗を経験しました。そんな時に限って本業の看護師も多忙になったりするものです。DJのことで頭がいっぱいで夜勤前の委員会に出席するのを忘れたこともあります。
DJとしての葛藤は、看護師の勤務形態上、毎週固定のイベントのDJオファーを受けることが難しいという点でした。それなら!とシフトが休みの日に自身でイベントを企画したこともあります。
DJのオファーをくれる運営側にも看護師と両立したいことを伝え、理解していただいていたことも続けられた理由の一つです。
好きだからこそ失敗を糧に工夫を繰り返し、看護の仕事もDJも両立できる道を模索しました。また、「DJを続けるなら看護師業務に支障を来さない」と自分でルールを決めたことで、勤務中は緊張感を持って仕事に取り組めたと思います。
私は頭で考えるよりもまずは行動してみて、失敗をもとに上手くいくように調整していきたいと考えていたので、結果長く看護とDJを両立して続けられたと感じています。
まとめ
自身の経験を通して、DJに限らずどのような職種でも工夫をすれば看護師と両立し得ると感じています。
看護師と両立する上でのポイントだと感じたことは
- 自分の好きなことを副業に選ぶ
- 勤務形態や働き方を工夫する
- 副業で関わる相手に本業と両立したいことを理解してもらう
- 休める日にはしっかり体を休める
これらを意識することで、失敗も乗り越えながら楽しく看護師とDJを続けることができました。
また、看護師として培ったコミュニケーション能力や観察力などの経験は副業にも生きてくると感じています。
もし打ち込める趣味や特技を持っていて副業にするか迷っている方は、ぜひ思い切って行動に移してみてください。大変さの中にやりがいを見出すことで本業にも身が入り、より充実した看護師人生になるかもしれません。