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アートメイクナースで人を元気に!全国を飛び回る新しい働き方【ナース図鑑】

アートメイクナースの斎藤利江

皆さんはアートメイクをご存知でしょうか?

アートメイクとは、眉やアイライン、リップラインなどに皮膚の浅い層に専用のニードルで色素を着色する、消えないメイクのこと。タトゥーとは違い表皮部分に着色するので、新陳代謝と共に1~2年の間に徐々に薄くなっていくといわれています。

アートメイクは医療行為であり、美容クリニックなどで医師の指示のもと看護師が施術します。

今回はアートメイクナースとして旅するように日本中を飛び回る、斎藤利江(さいとうりえ)さんの働き方をご紹介します。

笑顔の女性看護師

この記事はYouTubeの「ナース図鑑LIVEnow」のインタビュー動画をもとに、ナースLabのライターが作成しています。
動画を見たい方は「再生ボタン▶」をクリック!

目次

看護師として日本中を飛び回る働き方

ー斎藤さんが選んだ「旅するように働く」というのはどんな働き方ですか?

今はアートメイクナースとして、週に4日働いています。始めて5年ぐらいになりますね。その他に美容インストラクター、ダンサーとしてのお仕事もしています。

もともと旅が大好きで、いろんなところを巡りながら旅をするように仕事がしたいと思っていたんです。そんな働き方を叶えられたのは、アートメイクナースになってからでした。

出張が多く、関東を中心に全国に行っています。遠いところだと北海道も。メインのクリニックの他にも契約しているところがあり、いろんな地域のいろんな患者さんに出会えるのもこの働き方の魅力です。

ジャンプする女性

病棟勤務への憧れと苦しみ

ー今までの経歴を教えてください。

看護学校を卒業してから、附属の大学病院に就職しました。

手術室で働いているうちに、病棟でも働いてみたいと思うようになったんですよ。

転職して次に就職した民間の病院では、消化器外科と整形外科の混合病棟に配属されました。手術室とは全く違うので、多くのことを学べました。

ー病棟で働いてみてどうでしたか?

私がいたところは夜勤が頻繁にあったんですね。若かったのもあって夜勤の回数を多くこなしていたのですが、夜勤と日勤の切り替えがうまくできずに体調を崩してしまいました。

「この病院が合わないのかな?」と思って他の病院へ転職をしましたが、病院が変わっても同じでした。

夜勤の前は緊張して休めず、その日の夜勤が終わっても次の夜勤が気になってしょうがなくて。それでも欠勤はできず、疲れが取れない日々。その繰り返しで、新しい病院でも体調を崩してしまいました。

その時はじめて、もしかしてこれは自分自身の問題なのかもしれない、と思ったんですね。

それでも私自身は病棟の看護をすごくやりたいと思っていたし、病棟勤務の看護師に憧れもありました。病棟でバリバリ働く先輩もリスペクトしていたので。「でもどうしてできないんだろう」と、自分の壁にぶち当たった時期でした。

アートメイクナースとの出会い

ーアートメイクをするようになったきっかけは?

なんとか続けていた病棟での勤務は、体調が保てず辞めることになりました。

退職してから半年間、気分転換を兼ねてブラジルへバックパッカーの旅に出ました。もともとサンバをやっていたので、リオのカーニバルにも参加してきたんですよ。

旅行が終わってからは訪問入浴など単発の仕事をしていましたが、今度は腰を痛めてしまって続けられず。その次は医療機器メーカーの訪問指導の仕事にチャレンジしましたが、企業の業務縮小が原因で数ヶ月で解雇。その後しばらくはバーの仕事をして、看護からすこし離れている時期がありました。

そんな時に知り合いの先輩から声をかけてもらったのが、アートメイクとの最初の出会いです。今から5年くらい前のことです。

アートメイクを学ぶ看護師

美容で人を元気に!アートメイクナース

ーどうやってアートメイクナースになれたのですか?

患者さんに施術できるまで、私はバイオタッチジャパンというスクールに通いました。基礎からみっちり学んだのですが、座学や人工皮膚での実技練習、先輩の見学など、けっこう時間がかかりましたね。モニター講習という実技訓練があり、実際の患者さんへ施術を始めたときはドキドキでした。アートメイクも一生勉強が必要なので、今でも常に学んでいます。

大変ですが、美容は人を元気にするお仕事です。患者さんがキレイになって笑顔になる。毎日を素敵に過ごすお手伝いができるところに、魅力ややりがいを感じています。

今からアートメイクナースになりたい人は、どこかで勤めながらアートメイクの施術について学んでいくことがおすすめですね。

ーアートメイクは広く知られているものですか?

医療機関で行うアートメイクは、徐々にですがメジャーになってきたと思います。

医療行為として病院やクリニックで施術するので、麻酔により痛みは少なくなってきていますね。

他にもパラメディカルといって、補助医療でアートメイクを用いることもあります。例えば乳がん術後のニップル(乳頭)の再建などですね。

また抗がん剤治療で眉毛がなくなってしまった人のために、治療前に眉のアートメイクを受ける人もいます。

日本はタトゥーに対してさまざまなイメージがあるので、医療的に使われていることの理解が広がるといいなと思っています。

アートメイクの施術をする看護師

「できないナース」が選んだ新しい働き方

ー今の働き方やライフスタイルを通して、何か伝えたい思いはありますか?

私自身は病棟でうまくいかなかった時期に、看護師はいろんな働き方ができるってことを知らなかったんですよね。なので「なかなか病棟でうまく働けない自分=できないナース」みたいな方程式で、コンプレックスになってしまったんです。

今は週4で働いていますが、以前は週5正社員が当たり前だと思っていました。当たり前の働き方以外に選択肢を知らなかったからです。もしその時に看護師のいろんな働き方を知っていれば、何か変わっていたかもしれません。

私は看護師でもプラスαで看護以外のことをしても良いし、やりたいことをやりながら「ナース×〇〇」という働き方も素敵だと思っています。私自身もサンバをやっていたことで看護師としての自分とのバランスが取れていました。

プラスαの何かを持つことで、イキイキと働く道を選択できる時代になってきていますし、こういった働き方をもっとたくさんの看護師さんに知って欲しいと思っています。自分がやりたいことがあれば、働き方を職場に交渉するのも全然アリなんですよ。意外と伝わることもあるので、希望を持って一度相談してみることをオススメします。

旅するように、流れるように

ー今後のビジョンを教えてください。

今の働き方を自分でも気に入っていますので、旅するように、流れるように、これからも周りのみんなと楽しく働いていきたいと思っています。

いろんな経験をしたからこそ伝えられることがあると思うので、働き方に悩む多くの看護師さん伝わると嬉しいです。

インタビュアー:松井英子

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この記事を書いた人

当サイトを運営するナースライフバランス研究室の代表です。元・病院看護部長。1000人を超える看護師のオンラインサロン運営、新規事業立ち上げなど行っています。

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