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プチ移住から定住へ!仕事もプライベートも充実「お金では買えない豊かさ」を手に入れた島ナースとは ー長崎県対馬病院ー

看護師として働くなかで、ふと「この先もずっと、この病院で働いていくのかな?」と考えたり「他の病院も経験してみたい」なんて思ったり、あるいは今後のキャリアについて悶々とすることはありませんか?

看護師キャリアの悩みを抱え、思い切って「移住する」という大きな決断をした看護師さん達に実際の話を伺いました。日本で3番目に大きく、韓国に一番近い島でもある長崎県対馬に移住し、総合病院の島ナースとして働く看護師3人をご紹介します。

目次

お金で買えない豊かさを手に入れる

まずは、応援ナースとして対馬を訪れたことをキッカケに、仕事もプライベートも充実し「お金では買えない豊かさ」を手に入れたY・Mさんです。

ー対馬に移住してからの暮らしは、どうですか?

私は、対馬に移住して5年目を迎えました。移住後に対馬で出会った方と結婚し、今では子どもと4人で暮らしています。実は私、大の昆虫好きでして!高校時代に自宅で飼育していたこともありました。でも、看護師として就職してからは、そうした趣味の時間を持つことが難しくなっていたんです。それが、応援ナースとして訪れた対馬の大自然に触れ、昆虫愛が再燃しちゃいました!なんと対馬では、年に二度も蛍を見ることもでき、ここでしか味わえない自然の豊かさがあります。

ー島への移住は勇気が必要な決断だと思うのですが、どのような経緯があったのでしょうか?

看護師6年目を迎えた頃、自分としては「たいていの仕事ができるようになったかな?」と感じるようになりました。そして、ちょっと環境を変えて自分がどこまでできるのか試してみたい気持ちが出てきたんですよね。そこで、新卒から働いていた京都府の病院を思い切って退職し、応援ナースとして対馬病院を訪れたことが移住のキッカケになりました。

ちなみに私は、対馬だけでなく沖縄や四国をはじめ、様々な場所で一定期間働き、いろいろな経験をさせてもらいました。同じ環境で働き続けて看護師経験を積むことも、それはそれで大切だと思います。でも、環境を変えるからこそ、今までとは異なる選択肢や価値観を学ぶこともできる。それも重要な経験だと身をもって感じました。それもあって、看護師としての経験値を高めながら、自分の好きなことにも触れられる、この対馬を選びました。

ー対馬病院で働きはじめてから、自分の看護に変化がありましたか?

今まで勤めていた病院では、患者さんの状態が安定したら早々に気管切開をして回復期病棟に転棟することが多くありました。でも対馬に来てからは「なんでそんなに気管切開や挿管をするかどうか粘るんだろう?」と疑問に感じたことがあって…。よくよく聞いてみると、離島である対馬では、気管切開や挿管をはじめ、状態によっては島外の病院へ転院せざるを得ない場合もあることを知りました。今まで自分が経験してきた医療や看護を、そのまま対馬に当てはめて考えるのは正解ではないと痛感し「患者さんに寄り添った看護とは何か?」を考える機会になりましたね。

ーこれからの夢や目標を教えてください

これからも対馬で看護師としての経験をしっかり積みながら島での生活を楽しみたいです。子どもたちが大きくなって興味を持つなら、一緒に虫取りにも行きたいですね。

ーY・Mさんのように「応援ナース」として期間限定で対馬を訪れたり、移住してみたいと考えている看護師にメッセージをお願いします。

もしかすると、離島での医療や看護にネガティブな印象を持っている人もいるかもしれません。でも、この環境をどう捉えるかは、自分次第だと感じています。

離島にある対馬病院では、本土と変わらない医療が提供できるよう、看護師だけでなく職員一人一人ができることをしっかり考えて仕事をしています。地域医療を学ぶには、もってこいの場所ですね。

言わば「武者修行」のように、これまで培った知識や技術を試しに対馬で働いてみるのも良い経験になると思います。実際に、1年限定で働きに来られて、対馬の自然を満喫したり、マラソンなどのイベントに参加したりして、楽しみながら働いている看護師もいますよ。

「リラックスできる環境で生活したい!」国際結婚し家族と幸せに暮らす

次は、ワーキングホリデーを経験後、国際結婚を経て対馬へ移住した看護師Mさんです。

ー対馬での暮らしは、いかがですか?

家族でリラックスして暮らせています。それには、やはり自然の力が大きいと思いますね。朝にトンビの声で目を覚ますのは、すごく気持ちが良いですよ。それに夜は、シカやイノシシがそこらじゅうに居るので、いわば天然のナイトサファリを楽しめます!

対馬は海もあるし、竿を投げれば魚が釣れます。都会では経験できないですよね。今ではもう、街のなかで暮らすことは考えられない…。息ができないかも!

実は、旦那さんは持病を抱えているんですが、対馬に来てから体調も良く、楽しそうにイキイキと暮らしています。そうした姿を見ていることに幸せを感じますね。

ー島への移住前は、看護師として働きながら、どのような想いを抱えていましたか?

地元の総合病院で働いていました。勤務年数の長い看護師も多い環境でしたね。まわりには専門看護師や看護教育など、それぞれ専門領域を定め看護師としてのキャリアを歩んでゆく同期もいました。

そんななか「私はずっと、この大きな建物の中で一生暮らしていくのかな?」って感じるようになったんですよね。
看護師になるまでは、患者さんが治療を終え笑顔で帰っていくイメージを思い描いていましたが、実際現場に出ると、そうではないことのほうが沢山あって…。

辛さを抱える患者さんに寄り添いたいけれど、20代の若造である自分は、患者さんに対してかけられる言葉が思うように見つけられなかったんです。
だから、もっと社会や世界に出たりして、自分自身が人生経験を積みたいと考えるようになりました。それもあって、30歳を目前に人生をリセットする決心をして、ワーキングホリデーを利用し海外へ行きました

ー海外で韓国人の方と出会い国際結婚をされたそうですが、なぜ対馬を選んだのでしょうか?

結婚して家族が増えた場合に、子どものことなどを手伝ってもらえたら…と実家の近くに住むという選択肢を考えたこともありました。
でも、私自身が地元や親元を離れて長かったこともありますし、家族と言えども近すぎる距離にいると、お互いにストレスを感じることもあるかと思って…。

それで、日本と韓国、お互いの実家の中間地点でもある対馬を選びました。当初は、どうにかなるさ!みたいな気持ちで移住しましたが…実際どうにか、なっていますよ!

ー環境を変えてみたいけれど、躊躇している看護師にメッセージをお願いします。

一旦すべてリセットして、違う道に進んでもいいし、もし戻りたかったら、戻ってもいいと思います。「人生の中休み」になりますよ。

私自身は、環境を変えたからこそ出会えた人がいたし、見られた景色もありました。そういう経験が自分自身の価値観や今後のキャリアを見つめ直すには、とても良かったですね。
都会はザワザワしていて「一人になれる場所がない…」と感じたりすることもあるでしょう。
医療現場からは離れたくないけれど、もっと気持ちに「ゆとり」を持ちたいと思うなら、一度対馬に来てみると良いかもしれません。自然のなかで癒され、一人でゆっくり考えたり、気持ちを落ち着かせたりすることもできると思います。

「島で暮らしてみたい!でも、急性期医療も学びたい!」やりたいことを叶えた

最後に、国際協力の仕事を経て、対馬に移住した看護師Nさんのお話です。

ー対馬への移住を決めたのは、なぜですか?

もともと、資源が限られたところで暮らすことへの興味があったんです。田舎に住んでみたい、暮らしてみたいという気持ちはあるけれど、その一方で、しっかり急性期医療を学びたい!という気持ちもあって…。
田舎の病院に勤めた場合、もしかすると重症の患者さんは、大きな病院へそのまま転送することが多いかもしれない。でも、私自身は救急医療を学びたい。そう考えはじめたら「ここに勤めたい!」と思えるような病院がなかなか見つけられなかったんです。そんな時に、たまたま知ったのが対馬病院でした

島内で発生した重症症例の大半は島の各地から対馬病院へ搬送され、さらに島外に搬送する場合、それまでの初期対応は対馬病院で行います。
対馬なら私の理想に近いのではないかと思い、思い切って病院見学を申込みました。

病院見学の際に「急性期で働きたい」と伝えたら「それでは、HCUで働けますよ。」と言われて驚きました。病院へ就職する際、なかには入職するまで配属先が分からないことも多いですから。予め、自分が極めたい分野で働けることが分かっていたことも移住の決め手になりました。

ー対馬で暮らし始めて驚いたことはありましたか?

対馬は、移住者に対してウェルカムなんですよね。年々人口は減っていますし、高齢化が進み、医療者も人手不足だからでしょうか…。私が移住してきたことを知った島の人から「来てくれてありがとう。あなたは対馬のためになる人だから。」と、歓迎してもらい人の温かさを感じました

島の人に「人財」と思ってもらえるって嬉しいですね。島民の方が「対馬のため」だと自然に思うような、島を愛している姿も素敵だなと思いました。私は横浜市民でしたが「横浜のために」なんて思ったことはありませんでしたから…。

でも、人間関係は密だけど、島は広いので自分のことを知らない人や場所も、ちゃんとあります。ほどよい距離感ですね。

それから対馬は、ほとんどが山なので春が来ると一気に木々が色づいて花が咲き、島中が明るくなっていくんです。でも都会に住んでいた頃は、春が来た感覚を味わう機会がありませんでした…。「春って、こんなにバイタリティ溢れる季節なんだ!」と、対馬に来て初めて感じましたね。

ー対馬病院の魅力を教えて下さい

総合病院である対馬病院は、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層の患者を対象としています。また、夜間当直医が自分の専門領域以外の患者をも診察するような医療環境でもあります。

このような島特有の背景ゆえに一人一人の看護師には、幅広い知識や技術、対応力が求められるんですよね。責任は大きいけれど、そのぶん医療者としての自覚がモチベートされる部分もあります。こうした環境下だからこそ、対馬病院では「看護の総合力」が高められるのだと思います。

「この疾患のことなら、この看護師に聞けば分かる」というように、それぞれの看護師が自分の得意とする領域・分野を持っているので、かっこいいと感じますね。

実は先日、私自身が患者として対馬病院を受診したんですが、まるで家族を心配するかのように病院のスタッフが気にかけてくれました。すごく安心して、このファミリー感が素敵だな、対馬病院の魅力だなとも感じました。

ー最後に、対馬病院に興味を持っている看護師にメッセージをお願いします。

対馬で働く看護師にも外からの刺激は必要!対馬の看護の底上げにもなるので、ぜひ来てほしいです。

まとめ:「お金では買えない豊かさ」を手に入れた島ナースとは ー長崎県対馬病院ー

ひと言に「島へ移住する」という決断も、その背景は三人三様だと分かりますね。看護師として誠心誠意、働くなかで今後のキャリアや「自分にとっての幸せとは何か?」を考え悩んだ際、思い切って環境を変えてみることが、もしかすると答えの糸口になるかもしません。

長崎県対馬病院では、病院見学の交通費を助成しています。
ぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょうか?

長崎県対馬病院について

長崎県対馬病院
長崎県対馬市美津島町雞知乙1168番7
TEL:0920-54-7111(代表)

長崎県対馬病
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この記事を書いた人

宮城県仙台市在住。訪問看護管理者や自治体看護師を経験し、起業。今後のキャリアに悩む看護師を対象にキャリアコーチングを提供する。マーケティングの知識と経験を活かし「PRナース」として看護師採用支援にも携わる。

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