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転職前にどんな勉強が必要?訪問看護師が伝える転職するまでの過ごし方

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病院勤務から訪問看護に転職する場合、今の自分の実力で訪問看護師としてやっていけるのか漠然とした不安があるかもしれません。
在宅の様子がわからない、1人で訪問するのは大丈夫なのかと躊躇する気持ちもわかります。ここでは訪問看護へ転職したナースがやって良かったことやお勧めの勉強などをお伝えします。この記事を読んで、転職への不安を解消しましょう。

目次

訪問看護師に必要なスキル

訪問看護師に絶対に必要なスキルとは何でしょうか。それは、看護師として働いているあなたにすでに備わっているコミュニケーション能力です。患者さんにしてみたら、必要な看護を受けるためとは言え、他人が自分の住まいというプライベートな空間に入り込んでくるのです。患者さんや家族に信頼されるような振る舞いや言葉遣い、気遣いができることが最も重要なのです。

訪問看護師におすすめの勉強

ナースとしての経験があれば、これを絶対に学んでおかなければならないということはありません。最初は先輩ナースに同行し、ケアの様子を見学します。患者さんへ対応しながら少しずつ必要なことを学び、わからない時は同僚や先輩ナースに相談することができます。

しかし、転職前に確認しておくと役立つことはいくつかあります。訪問看護を受ける患者さんはどのような人がいるのか、訪問看護に関わる介護保険や医療保険について調べておくと転職後に理解しやすいでしょう。

また、在宅の患者さんは、さまざまな医療介護サービスを受けて生活をしている人が多いので、違う事業所との多職種連携は必須です。実際に見たことがなくても、どのようなサービスがあるのかはネットなどで確認しておきましょう

転職前に確認しておくと役立つこと
  • 基本的な看護の知識と技術
  • 訪問のマナー(あいさつ・身だしなみ・物の取り扱い・片付け・連絡など)
  • 患者さん・利用者の状態(高齢・障害・疾患について・小児や精神科領域であればその特徴)
  • 介護・医療の保険制度(訪問看護の算定について)
  • 在宅療養を支える他のサービスについて(ケアマネ・訪問介護・訪問リハビリ・訪問入浴・配食サービス・福祉用具レンタル・デイサービス・ショートステイ・など)
    厚生労働省:介護事業所・生活関連情報検索 公表されている介護サービスについて
訪問看護1dayセミナー

訪問看護に多い疾患について

訪問看護は医師の指示のもと、在宅で療養する患者さんを訪問しさまざまなケアを行います。訪問看護の対象者はどのような人でしょうか。

高齢者

厚生労働省の平成 27 年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査 (平成 29 年度調査)によると訪問看護の利用者の平均年齢は82歳でした※。
高齢者に多い疾患や、高齢者の精神状態などについて確認しておきましょう。

※ 訪問看護のサービスのあり方に関する調査研究事業(平成29年度調査)

勉強内容のポイント
  • 高齢者:認知症、心不全、誤嚥性肺炎、尿路感染症、便秘症、褥瘡など
  • がん:治療中の人からターミナルまでさまざまな年齢やステージの方が対象
  • 小児:重度心身障害ある子どものケア、保護者への指導や相談
  • 障害者:脊髄損傷やALSなどの人など身体障害を持つ人の状態観察やケア・コミュニケーション、精神障害のある人のサポート

在宅に必須の保険制度

看護師が1件ずつ訪問するごとに訪問看護ステーションは報酬を得て運営されています。病院で働いている時は報酬の算定について気にすることはあまりないかもしれません。訪問看護報酬について最初は難しく感じるかもしれませんが、実際に働く中で理解していくことができます。まずは、おおまかな仕組みついて知っておきましょう。

勉強内容のポイント
  • 訪問看護の報酬は介護保険と医療保険に分かれる
  • 医療保険の対象は全年齢、対象になる疾患が決まっている

厚生労働省:訪問看護のしくみ

基本的なマナー、接遇

誰でも知らない人が家に来るときは緊張しますよね。初対面での印象を良くすることで、その後の看護ケアをスムーズに導入しやすくなります。接遇とは相手を尊重し、思いやる態度やふるまいであると言えます。相手の状況や反応を見ながら、少しずつ信頼関係を構築していきましょう。家に入っていくのも勇気が入りますが、来られるほうも不安なものだと理解しましょう。

接遇のポイント
  • 清潔感のある身だしなみ。長い髪はまとめ、爪は短く。靴下は替えも用意しておく
  • まずは挨拶、笑顔で相手の目を見て名乗る
  • ドアの開け閉めは丁寧に、靴はをそろえる
  • 自分の荷物や上着はまとめて邪魔にならないように置く
  • 家の物品は丁寧に扱い、帰る前には元通りに片付ける

今の職場でも学ぶ

訪問看護では、今までの仕事や人生での経験が必ず役に立ちます。病棟で働いていたなら、入院患者さんの一般的な経過や不安に思うこと、どのような治療を受けてきたかを知っています。外来で働いていたなら、一般的な治療薬や検査などの知識があるでしょう。また1人の生活者としての視点も大切です。自分の家族の中での経験、子育てや介護、死別の経験も必ず役に立つはずです。

確認しておくポイント
  • 入院患者さんはどのような退院指導を受けているか
  • 病院のソーシャルワーカーや退院支援看護師は、地域の多職種とどのように連携し、退院後のサービスを計画しているか
  • 介護者や家族はどのようなことを心配しているのか

良い職場に出会うための転職活動

どのような訪問看護ステーションを選べば良いかは、勤務地や条件の他、訪問看護ステーションの管理者や経営母体などを調べましょう。土地勘がないところでも勤務できますが、最初は訪問経路を覚えていかなければなりません。車や自転車で訪問することを想像してみてください。また、研修体制やフォローアップをどのように受けられるかも聞いてみてください。また、すでに訪問看護で働いている知り合いがいたら、様子を聞いてみましょう。

ステーションを選ぶ時のポイント
  • 訪問地域、おもにどのような患者さんを対象としているか
  • 希望の勤務形態や残業の有無
  • 給与、インセンティブ
  • ステーションの規模、母体が病院など
  • 訪問手段、カーナビの有無など
  • 研修・教育制度の内容
  • 実際に訪問看護師をしている人からの情報

その他、訪問看護への転職者が転職前にしたこと

その他に転職したナースがやったことをご紹介します。

  • 運転の練習(運転講習を受ける、運転の基本や訪問する地域の主要な道を見ておく)
  • 書籍やネットで在宅や訪問看護について調べる、ソーシャルワーカーや退院支援看護師に聞く
  • 訪問看護研修(ナースラボの朝活ナース訪問看護ののzoom研修・看護協会やステーション主催の研修を受けた)
  • 訪問診療のある病院で訪問診療の同行から始め、在宅の様子や在宅医の考えを知ってから訪問看護に異動した

JAF:安全運転のコツ

一般社団法人全国訪問看護事業協会:令和5年度研修会一覧

公益財団法人日本訪問看護財団:訪問看護e-ラーニング

<参考文献>

まとめ:訪問看護へ転職したナースがやって良かったことやお勧めの勉強

いかがだったでしょうか。訪問看護師には転職前に特別な知識やスキルは必要はありません。あなたがすでに持っている知識や経験を活かしたケアを提供できるでしょう。在宅の知識や看護の工夫は働きながら、先輩ナースに教えてもらいながら学ぶことができます。

ここで挙げた内容は、転職前に知っておくとスムーズになるもの、新しい仕事への不安を軽くするものです。ぜひ、肩の力を抜いて、訪問看護師の世界に足を踏み出してみてください。

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この記事を書いた人

看護師歴20年、消化器内視鏡技師取得。病棟・外来・訪問診療・訪問看護を経て現在は病院の広報企画担当として勤務。趣味はヨガ。子どもたちが成人し、休日は夫と電車旅行やSUPを楽しんでいます。在宅療養やACP、平穏死についても発信していきたいと考えています。

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