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私が未経験の訪問看護と育児が両立できた理由

訪問看護は夜勤がなく、勤務の融通がききやすいのでママナースが復職する候補に挙がることは少なくありません。しかし、未経験ではじめるには「1人で訪問しケアできるのか」「自分に務まるのか」「育児と両立できるのか」と不安が膨らみますよね。

笑顔の女性看護師

私は、子育てをしながら働ける職場を探す中で訪問看護師を選びました。復職で悩むママナースの一助になればと私の体験談を届けます。

ライタープロフィール
みずいろ

看護師歴は病院勤務(呼吸器内科6年、神経内科2年) 、デイサービス、訪問入浴を経験後に結婚。2児を出産後に訪問看護師として復職し6年目を迎える。子育て優先で勤めながら看護師ライターとして活動中。

目次

自宅から近い職場を選んだことでよかった3点

自宅から近い職場を選んだことで、生活している地域が職場になりました。結果、私が働きやすいと感じた3点をお伝えします。

1.通勤や送り迎えの時間を減らすことで働く時間を最大限に確保

朝の出勤・登園準備は、子どもの機嫌やペース、天候など様々なトラブルが起こります。お迎え時間までに退勤するという制限もあり、ワーキングママは時間管理が欠かせません。

自宅と保育園、職場が近くて移動距離が短いことは、仕事に専念できる時間の確保になります。遅刻や残業でお迎え時間に間に合わないというトラブルやストレスを最小限にすることができました。

2.時間どおりに利用者さんを訪問するという課題をクリアしやすい

訪問する利用者さんが暮らす街が自分の生活拠点であれば、地理や道順、所要時間の把握ができます。訪問前に何度も地図の確認をしたり、道に迷ってしまったりという焦りや不安が最小限となり、利用者さんのケアに集中することができました。

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3.地域の話題で利用者さんとコミュニケーション

生活する地域が同じなので、利用者さんが行く病院や薬局、スーパーや公共施設がわかります。そして、利用者さんが街で活動するイメージができます。

移動に要する時間の予測や、移動の問題になる坂や階段、休憩場所の有無などもわかるので、外出時に問題になることを予測して、対策を伝えることができました。街の状況を知っていることは訪問看護にとても有利で、利用者さんとの信頼関係の構築にもなりました。

散歩や買い物をする利用者さんとすれ違ったり、商店街や季節のイベントで利用者さんにばったり会えることも。同じ地域で生活する1人の母親としても看護師としても受け入れてもらえることはとてもうれしく有難いことです。

時短からスタート。自分のペースで仕事に慣れることができる

訪問看護師はひとりで自宅に訪問してケアをするため、臨床経験があっても仕事に慣れるまでは戸惑うことが多いです。

ママナースの場合は未経験の仕事と育児の両立になるため、まずは少ない件数で訪問看護の仕事に慣れてはいかがでしょうか。なぜなら、多くの利用者を抱えてキャパシティーオーバーになり「訪問看護師は向いてなかった」と辞めたくなるかもしれないからです。

私は子育てとの両立という理由で、週3回午前中のみ、1日2件という少ない件数からスタートしました。訪問する利用者数は週に4、5人です。

訪問看護は生活の中に入り込むため、同じケアでもそれぞれに細かな違いがあり覚えることがたくさんありました。また、信頼関係を築きながらゆっくり向き合うことで満足感を得られる反面、一件の訪問で使う体力・精神力は計りしれません。

時短勤務から始めたことは、育児を両立しながら仕事に慣れるためにも私はよかったと感じています。2年目から6時間勤務にし、訪問件数も増えました。

長男が就学してからは5時間勤務にしていて、自分にあった時短勤務ができることは育児との両立したい人にとってありがたい条件です。

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スタッフとの関係を良好に保つためにできる努力する

就業先との面談では、子育てと両立するためにどう働きたいか、勤務時間や休日の希望をしっかり伝えました。子どもの体調不良や警報発令などの見通しは早めに伝えるなど、管理者やスタッフにはこまめに連絡や相談をしています。

また訪問看護には、日々の記録、月末報告書に加えて他職種との様々な連携業務があります。利用者の状況に合わせて増減するものなので、抱える業務量が多いときには早めにヘルプを出すようにしています。

スタッフとの関係を良好に保つためには、急な休みに対応してくれるスタッフへの感謝育児と両立しながら勉強する工夫など、自分なりの努力が必要でした。

スタッフの理解や協力に感謝を伝える

管理者、スタッフの理解や協力に対しては、いつもありがたく思い感謝の気持ちを伝えることを忘れてはいけません。子どもが小さいので急な早退や休日を取る必要があり、他スタッフに業務をお願いしなくてはいけないこともあります。

私自身の振る舞いが良くなかったのか「緊急当番や休日勤務がないことは当たり前じゃない」「同じ看護師なのに件数が少ない」などと厳しい言葉を受け、落ち込む経験もありました。今振り返ると、業務の皺寄せをお願いしていたのに、うまく伝えられていなかったのかもと反省しました。

「すみません」より「ありがとうございます」を、「ご迷惑をおかけして」ではなく「ご心配をおかけして」という言葉を選んでいます。​​​​気兼ねや申し訳なさよりも感謝の言葉を選んで口に出すことで、周囲のスタッフの気持ちも穏やかになり良好な人間関係ができるように思います。

育児と両立しながら勉強できる工夫を

日々のケアに必要な調べものは、寝かしつけのあとや隙間時間にスマホで手短に検索しました。子連れで参加できる職場の研修には、夕食を持参して参加するなど負担のない範囲で時間を確保することを心がけています。

専門職である看護師は、より良いケアのために費やす努力は欠かせません。育児中でもできる努力で、チーム内のモチベーションを下げる存在にならないように意識しました。

メンバーシップが上手く果たせていると自分自身の存在価値を認めることができて、仕事と育児の両立にも前向きな姿勢で過ごすことができると思います。

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訪問看護が好きと思えるやりがいや魅力が実感できる

訪問看護は、自宅で生活する利用者さんを支えることができ、生活や人生について深く入り込むことができます。自分の人生で体験することのできない物語を聞かせてもらえるので、驚きや感動も多い日々です。

自分ひとりで出来ることは微力ですが支援者(家族や在宅チーム)を巻き込みながら、その人らしさを感じて時間を共有できるという看護はやりがいもあります

自分が住み慣れた地域の中ではじめると、新たな視野が広がり、地域に住む人々、働く人々との交流が増え、子育てや地域のことを知るきっかけにもなります。

私は、自分が住む街の医療資源を知ることができ、地区診断での課題や社会福祉についても知ることができました。街の歴史や季節のイベント(夏祭りや地蔵盆、餅つき大会)を教えていただき、そこに関わる人々との繋がりもできました。子育てをしながらの訪問看護師生活がとても充実しています。

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まとめ

新しい仕事に慣れるまでは自信が持てずに落ち込む事もあります。育児と家事に追われて落ち込む自分と向き合う時間さえないこともあるでしょう。

笑顔の女性看護師

子育てを優先して働きたい思いを伝え、自分のペースで経験を重ねることができれば、やりがいや魅力も実感できると思います。

今後ますます訪問看護が必要とされる社会になるため、子育てしながら活躍する訪問看護師が増えると嬉しいです。

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この記事を書いた人

看護師歴は病院勤務(呼吸器内科6年、神経内科2年) 、デイサービス、訪問入浴を経験後に結婚。2児を出産後に訪問看護師と6年勤務。現在は子育て優先の生活を叶え在宅看護師ライターとして活動中。

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