活躍するナース

海外で起業する看護師|セブ島が教えてくれた自分らしい幸せな働き方

セブ島の英語の語学学校経営者

看護師の資格を活かして、海外で働く。国際化が進むこの時代で、日本を飛び出して世界で活躍する看護師も珍しくありません。

今回はフィリピンのセブ島で起業した看護師、海仲由美(うみなか ゆみ)さんをご紹介します。

セブ島でただ一つの、実践的な医療英語が学べる語学学校HLCA(ハルカ)を経営しています。

海外で起業したきっかけ、仕事に対する考え方など、海仲さんにお話を伺いました。

この記事はYouTubeの「ナース図鑑LIVEnow」のインタビュー動画をもとに、ナースLabのライターが作成しています。

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起業を決意した留学中の友人の一言

―今どのような仕事をしていますか?

フィリピンのセブ島で、日本の医療者が医療英語を学ぶ語学学校を運営しています。コロナウイルスの影響で、今は授業をすべてオンラインに切り替えました。日本でも、リモートで医療系の人材紹介会社の責任者をしています。

ー海外で起業するまでの経緯は?

看護師として日本で4年半働いて、語学留学でセブ島に行きました。私が入った語学学校には、看護師免許を持つ英語講師がたくさんいたんですが、なぜか一般英語しか教えていなかったんですよ。

私はもともと海外で看護師免許を取るまでは考えていませんでしたが、自分の専門の分野と結び付けられたらいいなと考えていました。でもフィリピンには本気で海外で看護師免許取りたい人と、気軽に英語が勉強したい人、この中間くらいの英語が学べる学校がない。そこで「医療英語に特化した学校があったら面白いのではないか?」と思ったのがきっかけですね。

ーすぐに起業を決心したのですか?

もともと起業する女性への憧れっていうがあったんですが、両親から「起業はリスクだから絶対にしてはいけない」という教えを受けて育てられたんですよ。だから実際に起業するとは考えていませんでした。

ある時、留学中に出会ったフィリピンの友人に「由美はなぜ会社で働いているの?自分で会社やらないの?」と言われて。当時の私は、会社で働くことが普通、常識だという価値観を持っていました。でもその常識は、日本で育った自分の中だけでつくられた常識だったんだなって気づかされて。その友人の一言で、起業しようと決めました。

語学学校を一緒に設立した「ゆるい」パートナー

―学校を設立するのは大変でしたか?

立ち上げの時は、毎日夜中までフィリピン人のパートナーと二人で仕事をしていました。語学留学だけでなく、宿泊施設、食事、掃除、洗濯すべてパッケージに含まれるので、システムをつくることに苦労しましたね。他の仕事もしながらだったので、本当に大変でした。

でも地元の知り合いの医者関係者に手伝ってもらえて、思い立ってから3か月くらいで学校をオープンできたんですよ。

経営者とスタッフ

ーパートナーと支え合ってきたんですね。

私のパートナーは、日本人に比べると仕事に対する向かい方が良い意味で「ゆるい」んです。自分の体調を崩してまで、自分の時間が0になるまで本当にやるべきことなのか、と常に問われていました。

おかげで「やらなきゃ」ではなく「やったほうがいいからやる」という気持ちでいられました。パートナーが逆の発想で支えてくれたのは、本当に大きいですね。気づいたら8年経っていました。

セブ島が教えてくれた幸せな働き方

ーセブ島で働いてから、何か変わったことはありましたか?

仕事も大切ですけど、自分自身の人生が一番大切だってことに気が付きました。自分のありのままが周りに認められる環境が、ここにはあります。

日本人はプレッシャーを抱えながら仕事をしていて、ストレスも大きいですよね。「失敗したら死ななきゃいけない」というような、極端な考え方になりがちだと思うんです。

何かを思い詰めている、人生に行き詰まりを感じる人には「一回フィリピンに来て!」って招待したいくらいです。

ーフィリピン人と日本人で何か違いはありますか?

フィリピンの人は、目の前にある自分が持っているものを大切にしています。今に集中して一日一日を大切に生きている人たちに囲まれている、その環境ってすごく幸福度が高いなと感じたんです。

これがフィリピン人に学んだ、幸せな生き方です。日本にいた時のモヤモヤが解消されて、しっくり来たような感じでした。

少年少女と女性

生き生きと自分らしく働ける道づくり

-今後のビジョンを教えてください。

日本にいながらでも外国人に対応できる自分でいたいとか、何かを学習して手に入れることは自信につながりますよね。病院外でのモチベーションアップにもなります。

興味があるけどなかなか一歩踏み出せない、看護師の資格を生かした医療英語を学びたい、自分の今後につながる英語を学びたいなど、さまざまな想いを持っている人がいると思います。

そんな人たちに看護師+αで英語を身につけてもらって、就職へのサポートをしていきたいですね。日本人は仕事に対する責任感やきめ細やかさがあり、とても真面目な人が多いと思います。もともと持っているホスピタリティやおっとりした優しい性格は、海外でも評価されると感じています。

日本人看護師と海外の救急車

―看護師に向けてメッセージをお願いします。

同じ職場で働き続けると、外の世界が見えづらくなることってありますよね。「ここにしか自分の居場所はない」と思い込んでしまうかもしれません。

でも看護師に憧れてこの職業を選んだ人が、疲弊してしまって働けなくなるのはとても残念なことだと思うんです。しんどいなって思っている人がいたら、新しい別の道があることに気づいて欲しい。自分らしく生き生きと働ける道をつくる、そんなサポートをしていきたいです。

インタビュアー:西山妙子
ライター:重野由加里

ABOUT ME
重野由加里
1988年1月14日生まれ。甲信越地方在住。 娘(3)、息子(1)のママ看護師。 娘の育児中に自分の自己肯定感の低さからくる生きづらさに気がつき、悩んだ。現在"親子で自己肯定感を育みなりたい自分になる講座"を受講し、認定講師を目指す。 自分と家族を大切にしたい想いから11年勤務した急性期病院を退職し、デイサービスで働いている。 趣味はパン、おやつ作り。コーヒーを飲むこと。自分のペースで好きな人と仕事をし、ゆっくりとした時間を過ごすことが夢。