皆さんは医学博士をご存じですか?
医学博士は、大学院で医学の修士課程(2年)を修了後、博士課程(4年)を修了し、博士学位論文が合格した人に与えられる学位で、研究者です。
今回紹介するHARU(ハル)さんは小児ICUで働きながら医学博士を修得し、研究を続け「Youtube看護大学」というYouTubeチャンネルで発信もしている現役看護師です。
Youtube看護大学はHARUさんとJIRO(ジロー)さんで運営しており、週に3回定期的に発信しています。
看護系のYoutuberが増えている中、医学博士を修得したHARUさんが伝える内容とは何でしょうか?
現役看護師をしながら大学院に進学し、研究とSNS発信という活気あふれる働き方をしているHARUさんの魅力を紹介していきます。
この記事はYouTubeの「ナース図鑑LIVEnow」のインタビュー動画をもとに、ナースLabのライターが作成しています。
動画を見たい方は「再生ボタン▶」をクリック!
マジメと面白さを備えた医学博士の現役ナースが発信するYoutube看護大学
ーYoutube看護大学の目的は何ですか?
看護師をHappyにするための情報を発信するのが目的です。
ー具体的な配信コンテンツを教えてください。
看護学生や新人看護師に向けて、病態生理や医学的な背景の知識などを説明しています。人工呼吸器シリーズや、輸血や薬剤など。
その他には、論文をベースに看護師の過ごし方や看護師のデリケートな人間関係について学術的にどうなのかという内容について配信しています。
ー研究と発信、現役で働くためのバイタリティは何ですか?
幸せと興奮を同時に感じることですかね。Youtube看護大学のチャンネル登録者数が増えると興奮するんですね。
一方で「すごくためになってます」という感謝のコメントが来ると幸せを感じます。幸せと興奮を得た状態になるためには、看護師の仕事という基盤と、新しいことを発見して発信し続けるということが必要です。
HARUさんが運営する「YouTube看護大学」の動画はこちらです!
医学博士を目指したきっかけは救命センター
ーちなみに看護師になろうと思った動機は何ですか?
新潟中越地震の時、母親が看護師として活動している姿がかっこいいと思っていました。母みたいになりたいと思ったのがひとつの理由です。
現実的なことも考えて目指したのもありますね。
ーなぜ研究をしようと思ったのですか?
大学時代は心肺蘇生や外傷の対応などを教えてくれる救急のサークルに入っていたのですが、看護師の手を動かしてケアをする職人的な側面がかっこいいと思っていました。
もちろん患者さんの思いや病態の受け止め方に寄り添う看護も大事ですが、救命センターは命を救う現場なので直接行うケアが多くなります。
ケアを行う大前提に生命や病態など医学的な背景の理解は重要だと感じるようになりました。実際臨床で行っているアプローチが正しいのか、もっと良くする方法はあるのか、どの方法が一番良いのかなど知りたいと思ったのがきっかけです。
例えば口腔ケアを行うことで肺炎が減るなど医学的な研究で明らかになってきたことがあるので、自分で新しいことを発見して形に残したいと思いました。
勉強と仕事を両立するための取り組み
ー実際学ぶためには大変だったことはありますか?
当時はお金が足りなかったので、働きながら通えるところで国公立という条件が必要だったので勉強できる場所の範囲が狭まったということですね。
他には知りたいことが日本の論文より海外の論文の方が多いので英語の論文を読むという作業が難しいです。修士論文を書かなきゃいけなかったので、自分で読み込んでいきました。
ー勉強と仕事の両立の方法はありますか?
強制的に勉強するしかない環境をつくることだと思います。外国語を学ぶために外国に行くみたいな感じです。
いつまでに課題を終わらせるという具体的な目標を立てて、課題を達成しないと他人に怒られるなど、ペナルティをつくることも大事だと思います。
特に大学院は授業がないので、ある程度の負荷は必要と考えて自分の身をやらざるを得ない環境に置くようにしました。そうすること達成できていた感じですね。
Youtube発信までの経緯と努力
ーYoutubeで発信するまでの経緯は?
働いていると「あの時知識をもっと早くに知っていれば良かった」と思うことが毎年ありませんか?なので、自分ができることは看護師に医学の知識の概要を伝えることだと思ったんですね。
最近は病態についての発信をしている人が多いので、私たちは今まで見てきた論文の中に看護師の働き方や過ごし方にフォーカスした内容などもあったのでそれを伝えていきたいと思いました。
医学や科学のデータをもとに伝えていけるのが強みかと。
ーYoutubeを続けるコツはありますか?
1週間に2回はアップすることや、とにかく100本動画を上げるなど目標を定めました。
忙しい、閲覧回数が伸びないと辞めてしまう原因になると思うのですが、100本あげるという目標だけを達成するために走るというのは続けるコツかなと思っています。
その先が崖だとしても考えず突き進んでます。あとは楽しくやることです。
看護師をhappyにするために
ー今後の目標をお願いします。
アプリを作ってみたいんですよね。例えばエビデンスに基づいたアプリで1週間ごとに自分の状態をチェックして、もう少しでバーンアウトの状態になるから無理しない方がいいんだと評価できるようなものです。
できればもっと認知度を上げて、発信している内容を多くの人に実践してもらえるようになりたいと思っています。論文のデータをもとに「看護師の生活や環境を良くして、Happyになれるようにしていきたい」ですね。
具体的に領域ごとの性格の論文や看護師のお金を使わないストレス発散方法など、看護師さんのためになる情報を届けていきたいですね。
個人的な目標は、最終的にはラパンからランボルギーニに乗り換えたいという夢も持ってます。
HARUさんが「看護に不安を抱いている人に届けたい」「看護の現場を本気で変えたい」と熱意を込めて作った電子書籍です!!